「Re:ゼロから始める異世界生活(TVアニメ動画)」

総合得点
91.2
感想・評価
4080
棚に入れた
16785
ランキング
39
★★★★☆ 4.0 (4080)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.0

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

★3/ 恒久のクリフハンガー

開始2分で異世界へそして5分で事件が起きる。1話から目まぐるしく展開するストーリー。太いロープでぐるぐる巻きにされ猛スピードで縦横無尽に引き摺りまわされるかのような怒涛の展開。1話ラストで意味不明な状況に放り込まれては続きを見ない選択肢はなく、2話で目にするのはあの印象的なオープニング。鷲掴みにされるという言葉の意味を知りたければこのアニメを見るのが1番手っ取り早いと言っても多くの人が納得するであろう。続きを見たくなる凄まじい引力に捕われ逃げる事は困難である。

今や異世界アニメといえばコレを指すほどのブームを巻き起こしたなろう作品。異世界モノとしてはこの前にこのすばSAOログホラゼロ魔とまだまだ遡れるのではあるが、一般的認知で言えばこれ以前まではアニメ好きが見るものであり普段たまにしかアニメを見ない層にまでなろう作品が届いたのはこの作品だと思われる。個人的観測ですが。ヒットしたからこそのアンチも多いがアンチが沸かなければヒットしたとは言えない。現在伝説的な作品として評価されているモノでも当時はボロカスに叩かれている。あのエヴァやまどマギでさえ例外ではない。この作品を愛している方々は胸を張って自分の態度を表明しておけばよい。この良さがわからんやつは○○だ、と価値観の押し付けはいけないがね。

なろう作品やラノベに対して展開される批判の数々はそもそも前提からして間違っている。もともと現実逃避の妄想の具現化なので主人公の自分は強くて当たり前。それから必要なのは自分を受容してくれる好みのタイプドストライクのメインヒロイン。ヒロインひとりだと寂しいしみんなでワチャワチャしたいので他にもロリからお姉さんまであらゆるタイプを設置してハーレム化。男の仲間はただ拡張自我としての便利屋でいい。社会を拒絶してるから現実は見たくないので美しいファンタジー世界に行きたい。強引に言えばこれがよくある売れ線ラノベである。そしてラノベから進化した部分として新しい世界観設定の説明も聞きたくないし覚える努力もしたくないのでオリジナリティとして楽しみたいメインモチーフ以外は説明不要の汎用品のコラージュで構わない、と徹底的にベタベタに甘やかすところが「なろう」が「なろう」たる新しい価値観である。妄想の具現化の最新版、ラノベの最新アップデート、それが売れ線なろう作品であると考える。責任を最小化し権利は最大化する。「あなたの為に外見を取り繕う努力は出来ないけど自分の事は外見じゃなくて中身を見て欲しい、本当の自分を見て判断して欲しい」本当の自分が欲している自分の理想形、素の裸の自分というわけだ。そして他人の裸など誰も見たくないもの。他人の目を意識しない裸はキモくて当然なのだ。誰かに深々とブッ刺さる作品というのは他の誰かにとってはキモくて恥ずかしくて見てられない作品ということが往々にしてある。

コレにケチをつけるのはコロコロコミック読んでる子供達に「こんなもの読んでるやつはクソ。この作品のシナリオはキャラの感情の機微が表現されてないしそもそも設定からしてオカシイ」とかいう嫌がらせや言いがかりのレベル。そもそも読者からしてもそんなものは求めていないのである。

そんななろう作品の中でこの作品が異彩を放つところはビームも放てないモンスターも使役出来ないステータスオープンすら出来ない一般人のスバルが死に戻りという戦闘にはミリも貢献しない能力で孤軍奮闘し傷つきながらも周囲の信頼を自らの行動で勝ち取っていく姿にハラハラしながらも心打たれるところにある。死に戻りってある意味不死なのでチート能力どころじゃなく最強じゃね?ってのは野暮というもの。スバルの戦闘力を上げるのは交渉のみ。誰にも話せない孤独の中で苦悩する姿にこうすりゃいいじゃん頭悪すぎっていう人は未知の世界の中で常に冷静に世界の隅々まで見通した最適な戦略を披露するスバルがいたらなんだただの俺ツエーかよって言うんでしょうね。修行して強くなる訳でもなく新兵器を受領する訳でもなく死んだらそれまで築いてきた信頼関係も全て白紙になる中で時間を戻りつつ恥を偲んでは手段を選ぶ余裕も無いながらに少しづつではあるが着実に1人また1人と協力者を獲得していくスバルに尊敬の念を抱かずにはいられない。

で、結局どんな話なのって言うと25話かけてヒロインに想いを伝えるも「助けてくれてありがとう」で終わりっていうなんともな話。

「ただそれだけの物語」である。

最終話、スバルとエミリアが2人で会話するシーン。常に見た目で差別され続け誰にも心を開く事が出来なかったエミリアがようやく他人を信頼し、そしてそれを自分の言葉で伝える事が出来た瞬間を見た視聴者はここまで見続けてきて本当に良かったと誰もが思うであろう。そして今回初めて他人の好意を受け取る事ができたエミリアがスバルの想いに対してどのように向き合っていくのか、2期の制作が決まりその成り行きを眺められる機会が得られた事はまさに幸甚の至りと言えよう。



主題歌も素晴らしいですね。redoじゃなくてundoじゃねえの?とか思ったり。reを合わせたのかな。
劇中の音楽も何気にというかとても凄いです。

投稿 : 2020/07/31
閲覧 : 420

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