退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
力み過ぎて豪快に滑ってしまったサンジゲン渾身のアニバーサリー作品から見える四天王のあるべき姿と大人のダンディズム
惜しい、本当に惜しい。周年記念作品ということでかなり力を入れて制作したであろうオリジナル作品。まさに力作という表現が相応しい挑戦的かつ丁寧な作りである。あるのだが。あるのだけれど。なぜこうなったとしか言えない残念な作品。でも私は好きです。人を選ぶ尖った作品と言えば…聞こえはいい…ですが…やっぱり言えない。どう見ても失敗作です。本当にありがとうございました。
主役ロボがダサいのは好みもあるのでもしかしてカッコイイと思う人が個人的には信じられないけどいる可能性が万が一にもあるのかもしれない。心臓と四肢で合体する1チーム5人で運用。古代のテクノロジーという世界観設定上あまりスマートなロボには出来ないので仕方ないと言うかまずそこから間違えている気がする。そこは譲ったとしても致命的に主人公に魅力がない。正確には主人公チーム5人のうちの男2人。その上CGキャラなので表情の演技がイマイチなのも手伝ってなんだコイツ感は最後まで続く。特にこの2人は物語上激昂したり熱弁披露したりキレて叫んだりするシーンも多いので違和感アリアリ。だが他のキャラは不思議とあまり気にならない。
世界観設定もオリジナル要素てんこ盛りでカブらない様に頑張った感は伝わるが度肝を抜かれる新しい発明と言える物もなくイマイチ惹かれる要素がない。ストーリーも2期から展開していくのでダラダラ感は拭えない。
この作品の魅力。それはなんといっても大人がカッコいいに尽きる。少年少女が主役のロボアニメに出てくる大人は大抵説明解説説教係の舞台装置が殆どだがこの作品の万流礼央子率いるメインライバルチームは全員アラフォー。しまった。様をつけなきゃ。礼央子様ね。対応するパーツ担当者同士それぞれの間に因縁めいた過去の物語がある。時に敵同士として時に子供を見守る大人として。子供相手には時におちゃらけたりフザケたりもするが確固たる覚悟と信念を持ち礼央子様に絶対の忠義を尽くす4人はヤラレ役などではない本当の意味で四天王。と言うかこの物語は礼央子様が主人公。ロボも礼央子様の炎帝だけはカッコいい。この作品を見て礼央子様に様を付けずに呼べるヤツはいないと思われる。礼央子様の呪われた運命とそれに心を痛めどのような扱いをされたとしてもいかなる手段を用いようとも礼央子様を護らんとする四天王の覚悟は涙無しには語れない。
オープニングのワクワク感も凄い。名作キタコレ絶対面白いヤツやんコレと思わされてしまう謎の威力がある。主役チームと礼央子様チームのキャラ紹介は何度見てもカッコいい。
ロボデザインは奇抜だが、背景美術はかなり好み。ビルや車両などの雰囲気はロボを引き立てる為なのか地味目ではあるが本当に物凄くカッコいい。相当にレベル高い。それだけに…惜しい。
他勢力のロボも出てきます。ロボデザインはやっぱりアレなのですが、他のチームも結構いいキャラがいます。全然メインライバル張れるくらい。というか前述の2人以外は殆ど魅力的なキャラが揃ってる。
圧倒的なバランスの悪さ。
悪い部分は最悪だが光る部分は傑作レベルで輝いています。
スルースキルに自信のある方は是非挑戦してみて欲しい。炎帝と礼央子様のカッコ良さは異常。