ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
大正ロマンにスチームパンクの薫り
荒俣宏の帝都物語にインスパイアされた、というか、ほぼ丸被りの設定ではある。
それでも、帝国歌劇団の乙女達が霊子甲冑で武装、帝国華撃団として戦うシチュエーションは魅力的であり、令和の世にあってもオーラを放ち続けるのである。
原作であるゲーム版の画面を知っている訳ではないので、どこまでがオリジナルなのかは知らないが、中村隆太郎監督の十八番ともいえるアナログ感満載、走査線がチラつく画面の演出が、仄暗い帝都の世界観を引き立てているのは間違いない。
ストーリーは中々ネチっこい。
団員として認められるまでの展開は、主人公のさくらにとって、山あり谷ありどころか、ほとんど谷と言ってもよい。
他の団員からは徹底的に疎まれ、自信を喪失して行く。
それに輪をかけて、それぞれの団員もまた曰く因縁、脛に傷持つものばかりである。脚本はそれらを丁寧に拾い上げ、一話一話を構成してゆく。
中でも、最年少であるアイリスは、その霊力の強さも手伝って非常に面白い役回りを演じている。
脇を固める他の組もよい味を出している。
月組は加山隊長率いる隠密部隊であり、最も悲壮な役回りを演じることになる。
個人的には、スピンオフを作ってくれると嬉しいのだが。
また、美人揃いの風組の活躍も見て欲しい。
他にも、強い霊力で探知機能を担う夢組は、以外とモブ扱いで可哀想である。
戦闘シーンには、極端なデフォルメはないが、ボトムズのテイストを感じる光武のスケール感と蒸気機関による生き生きとした駆動感が小気味良い。
新シリーズを観るに当たって、どうしても外せない作品である。
オープニング曲のゲキテイ、これぞアニソン、素晴らしい。