たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「愛と風のように」時代は通り過ぎる。。
声優 故藤原啓治さんの追悼として、アメーバTVではクレヨンしんちゃんの劇場版の一挙放送をしていますが、
映画ドラえもんと同じくらい劇場版のクレヨンしんちゃんは大人も見れるエンターテイメントとして知られていますが、
中でも「オトナ帝国の逆襲」は完全に団塊世代から昭和を生きた中年層を意識した、まさに昭和回顧録と言っても過言ではないくらい子供おいてけぼりの作品です。
いや、この2020年令和の時代にも商店街はありますし、僕の田舎なんかもトトロで出てきそうな木造の家屋で、ぎりぎり戦争体験をしていた祖母がまだ生きていますが、あと数年で本当に「一億総中流」をうたった「昭和」な雰囲気が完全になくなってしまうのではないかと思います。
完全に個人化してしまった最近の社会では生活のリズムも隣人との会話も皆バラバラで、いろいろな人間がいろいろな思惑で生きる複雑な社会になってしまいましたが、この「オトナ帝国」であり、敵組織の「イエスタデーワンスモア」が訴える「本当はこうじゃなかった未来」そのものが見えてきた気がしてなりません。
本当に「攻殻機動隊」や「AKIRA」のような退廃しつつテクノロジーだけは進む未来社会が来てしまった今、もう一度「絆」や「愛」とはなんなのかについて考えさせられる作品です。