Dave さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 5.0
声優 : 1.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
主人公の男の子にモテ要素がないのが致命的
1. 主人公に共感できない理由
画はきれいだし、まあそれなりに真面目に頑張って作った作品だとは思うんですが、まったく刺さらなかったですね。で、なぜ刺さらないのかを考えてみたんですが、やはり主人公の男の子に魅力を感じられないのが最大の原因かと思うのです。だからリアリティを感じられない・共感できない。
2. 光らなければ刺さらない
作品の早い段階で、ヒロインの女の子が置かれた状況は理解できたし、彼女の魅力もテンポよく描けていると思います。では、それに釣りあう相手だっただろうか?別に少女漫画に出てくるようなイケメン・万能で非の打ちどころのない爽やかくんである必要はないのです。むしろ、不器用でもいいし、欠点があるくらいの方が魅力的かも知れません。でも、一方で他にはないキラリと光る部分がないと、ヒロイン側からアプローチをかける説得力が生まれない。
3. たとえば…
たとえば「四月は君の嘘」の主人公ピアニストとか、「ハイスコア・ガール」のゲーマー少年とか、彼らはべつにイケメンじゃないし、パッと見てモテるタイプではない。しかし明らかに人よりも優れた部分があって、その背景に普通の人にはできない努力をしていて。そのうえでさりげない優しさがあったなら、ああ確かに女子としては惚れるかなあと。
4. なんだ、この他力本願
ところが、ただクラスの目立たないだけの主人公だと、主人公を応援する気になれない。これじゃあ、まるで努力もなく勝手にハーレムを夢見るオタクの空想みたい。よくありますよね、昨今のチープな異世界モノとか、魔法なんとかとかにありがちなパターン。まあ、あそこまでチープとは言いませんが、やはりもう少し主人公の魅力は引き出す必要があったんじゃないでしょうか。
5. ちゃんと男性声優起用しましょうよ
この手のアニメ映画にありがちなんですが、主人公の声優が下手…と思ったらやっぱり本職の声優じゃないんですね。これもよくわからない「ジブリからの伝統」なのかもしれないんですが、どうして本職の声優さん使わないんですかね?特に男性キャラね、男性の声はべつに重要じゃないとでも思ってるんでしょうか? ヒロイン役のLynnが上手いだけに、余計にレベル差を感じました。
6. 逆ご都合主義
最後に、あの終わり方…つまり「事件」のことですが、どうしてあのイベントを入れる必要があったのでしょう?「逆ご都合主義」とでも評すべきトンでも展開で、そんな偶然あるわけないだろうと全力で突っ込みました。
7. 人物描写の薄さと苛立ち
親友の女子の方も首尾一貫してウザいし、ガムくんも印象的なわりには「通りがかり菊蔵」なみの絡みの薄さで、これまた魅力が描き切れていませんよね。実写映画の方も昔、海外に行く飛行機の中で見たような気がするけど…そちらもあまり覚えてはいないものの、こんなにひどい感想ではなかったような気がします。