ゲリオ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
香澄とみんなの物語の集大成
アニメは色々見てるけどコンテンツとして追いかけてるのは本シリーズだけなので大甘評価なのはご容赦ください。
贔屓目無しって言っても、元々シリーズファンなんだから普通の人よりも高評価になるのは仕方ないことである。
なのでこのレビューはバンドリファンから見た3期アニメの感想ということになるのであしからず。
まずはサンジゲンさん制作によるCGアニメーションの素晴らしさは1年前に2期のレビューで熱く語ったはずなので今回は割愛。
今シーズンも更に磨きがかかった最高のアニメーションだった。
今後制作される劇場版においても引き続きハイクオリティな動画を宜しくお願いしたい。
3rdシーズンまで視聴して感じたのは、「アニメバンドリ」はあくまでバンドリプロジェクトのひとつであり、アニメ1~3期にバンドリの総てが詰まっているわけではないということだ。
ソシャゲアプリのストーリー、CD楽曲、さらにはリアルライブまでを包括して初めて"BanG Dream!"という作品が完成するメディアミックスプロジェクトなのである。
そんな中で作中もっとも重視すべき物語を「アニメバンドリ」内で展開してるように見受けられ、今回の3期では「RAISE A SUILENの成長物語」がその部分に該当することになった。
一方でPastel*Palettes、Afterglow、ハローハッピーワールド!の非リアルバンド3組が割を食う形となり、出番が少なめだったのが不満というファンの声も多かったようだ。
昨年の2ndシーズンでは彼女たちが主役を張った回もありファンとしては非常に嬉しかったのだが、やや場違い感が否めない浮いてる回だったのも正直なところで、3期はゲスト程度にとどめたのは個人的には仕方がないことだったようにも思う。
そもそもメインキャラが30人のシナリオを1クールでやるのは無理がある。
3バンドのアニメにおける活躍は続編が決定している短編作品「ガルパ☆ピコ」で楽しみたい。
3期のメインを担ったRAISE A SUILEN(以下RAS)のストーリーについてはなかなか見応えがあるシナリオだったのではないか。
2期から登場こそしていたものの、満を持しての六花の加入からバンド崩壊の危機、最後はメンバーの心がひとつになるという王道のヒューマンドラマを短い尺の中で綺麗にまとめた印象。
また、RASの成長にPoppin'Partyが背中を押す役割を担ったというのが非常に感慨深い。今風に言えばエモい。
香澄たちポピパもこれまでのストーリーを通じて大きく成長してきたんだなあ~と。
さらにRoseliaも加わり、3バンドでガールズバンドの大会「BanG Dream!Girls Band Challenge!」の決勝戦、日本武道館を目指すストーリーが繰り広げられた。
アニメ3期にして作中で初めて"BanG Dream!"の単語が登場したのも大変エモい事象。
そしてRASの成長と並ぶ今シーズンの大きなメインテーマが、バンドリプロジェクト初期から存在する「キラキラドキドキ」あるいは「ホシノコドウ」という概念の答えである。
主人公の香澄がこれまで度々言葉にしてきたこの抽象的な単語の正体が3期12話で明らかとなる。
ポピパを結成して、たくさんのバンドと交流して、出会うみんながキラキラしてて、ドキドキをくれて「ホシノコドウはみんなだった!」と。
当時ネット界隈で散々に批判冒涜されたバンドリアニメ1期の冒頭の星空のシーンに繋がり、延いては黒歴史である1期第3話の「きらきら星」までも最終的には大きな意味合いをもたらすいう…
これ、長年苦渋を味わってきたファンとしては言葉にできないほどエモい現象だと思うのだが共感してくれる人はいないだろうか?
ちなみに香澄以外のポピパのメンバーのイニシャルをつなげると「S(さあや)T(たえ)A(ありさ)R(りみ)」でSTARになる。
オープニング曲の"イニシャル"はそんな意味も含んでいるのかなぁと。「イニシャルのその先へ ホシノコドウ感じて」という歌詞といい、考えれば考えるほどエモいね。
そして視聴者の僕らもホシノコドウの一部だったということですな!
ああっ!儚い!
さて、そんなわけでアニメシリーズとしての香澄たちの物語は3rdシーズンで一旦区切りとなるとのこと。
もちろんガルパではストーリーが続いているし劇場版も含めプロジェクトは継続するので、今後も本当の意味でシリーズが結末を迎えるまではファンを続けるつもり。
バンドリシリーズに関しては今年で5周年を迎え、スタッフの皆様方には今まで長年に渡り楽しませていただいたことを感謝するとともに、これからもファンにキラキラドキドキを届けるプロジェクトをやりきっていただきたい所存である。