kazz さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青菜のせいで私は道を踏み外した。
笑い男事件を軸にした連続するお話と事件を解決しながら各キャラクターを掘り下げる1話完結のお話がだいたい交互に来てSACの世界観が理解しやすい、かと思いきや部分的に(意図的に?)説明を省いて視聴者の補完力を要求する場面が多く、放映時間や視線誘導を促す少佐の格好も相まって初めて観た当時小学生の自分は「なんかオトナのアニメっぽい!」とキャッキャしておりました。今思えば、本作もまた道を踏み外したキッカケのひとつだったのでしょうねぇ…(遠い目)
1話完結のお話はサッパリ淡々としていながら、事件を解決した後は叙情的な視聴後感を与えてくれるお話ばかりです。それはまるで脳を電子化し体を機械にすげ替えながらなおも燻るゴーストの疼きを表すかのようですね。どれも大好きですが、敢えて1つ挙げるとすれば12話のBパート「映画監督の夢」です。特大ブーメランって感じが無きにしもですが、少佐の意外な一面が見られる貴重な回です。
一方で軸となる笑い男事件はミスター青菜こと神山監督の作家性が強く出ている気がします。やっぱり世相を反映させつつ青臭いヤツを描くことが好きなんだなって。それは学食のマブや東のエデンなどを観るとよりはっきりするのではと思います。いずれも好きな作品なのですが、ちょいちょい青臭いを通り越してエグ味を感じる部分があったりします。しかし本作ではその色をトグサくんと笑い男に抑え、周囲を押井守のゴーストインザシェルに寄せたドライなキャラクターたちで囲んで丁度よくブレンドさせたことで上手くいっていたと感じます。も一つ小噺として押井守がストーリーコンセプトとして参加した2ndGIGではトグサくんは青臭いばかりに{netabare}裁判にかけられ追い詰められかけ公安9課を辞職しか{/netabare}けます。完全に押井守のやり口ですね。根拠はないけど自信はあります。違ってたらごめんなさい。
ともあれ、せっかく新作の2045が始動しましたし、(20過ぎの方は)リモンチェッロでも飲みながら2ndGIGとSSSも合わせて一気見してみてはいかがですか?