takato さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「このアジアの片隅で」外伝。あと、雪野五月さんは最高よ!
「この世界の片隅で」を見て片渕監督を知った人は見ないで…なシリーズの外伝。
テレビシリーズを見てからだいぶ時間が経ってもうたが、改めて見てみるとロアナプラの日々がすぐに甦ってきた。
アメリカ映画とかに見られる丁々発止の軽口の妙、最悪の果ての明るいニヒリズム、虚無への行き止まりの道を進んでしまった者の自己破滅的な最期。そして凶悪だが立ちまくりなキャラたち。
本作では、浪川さん演じるロックの素直に喜べない成長物語として実に良い。こういう主人公キャラは、「デュラララ」の帝人が近いだろう。視聴者の代弁的な一番一般人だと思ってたやつが実は一番狂っとる…。
悪の世界で悪に適応した者はある意味で正常だ。悪の世界であくまで口先の善を説くでも、悪に適応するでもなく、自分の道を通すために善悪の彼岸に至る道。
浪川さんは当たり役を引いた時は素晴らしいが、本作におけるロックの静かさは白眉の一つだろう。それにしても、本作ほど凶悪で魅力的なキャラが出る作品は「ヘルシング」くらいかな。