かさい さんの感想・評価
2.0
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 1.5
音楽 : 1.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
リアリティとは
劇中劇のクオリティは見事だった。
エンドクレジットを見る限り、特に最終話は作監の小林直樹さんを始め、松本憲生さんなど超凄腕のアニメーターが沢山参加されている。
クオリティの高い劇中劇にもアニメーターは勿論、美術・撮影・仕上げ、他にも沢山の方々が参加されている。
これを映像研の二人を中心とした高校生達が制作しているという設定はあまりにもリアリティがない。作中で原画マンとして描写されているのは水崎ツバメただ一人。
実力のあるアニメーターを集めて制作した映像を、モデルも兼業している高校生が制作したという設定はあまりに無理がありすぎる。
ラストの浅草は、自分が制作した(実際には沢山のスタッフが拘られて制作された)映像に対して、「まだまだ改善の余地ばかり」と言ってしまう始末。
「これはお前らの作品ではないんだよ」と、視聴者ながら腹がたってしまった。
また、リアリティのある作画を意識している水崎ツバメが五十嵐海さんのような金田系(メリハリのあるアニメ的な)アクションを爆発させるのも意味不明過ぎる。3話の五十嵐さんのパートは作画としては本当に素晴らしいけど、これを五十嵐さんの作品ではなく、水崎ツバメが描いた作品となると話は変わってくる。また、五十嵐さんパートの前にはタイプの違う野崎さんもアクションを描かれている。これも水崎ツバメただ一人が描いたことになっている。それが気になってしょうがなかった。
同じアニメ制作を題材にした『SHIROBAKO』とはリアリティの差が天と地の差があり、『SHIROBAKO』に関して言えばドラマの盛り上がりに合わせてアニメ的な誇張(嘘の描写)のバランスも見事だった。映像研は世界観・時代背景が現実と違うとは言え、シッチャカメッチャカ過ぎる。
作画が素晴らしいだけに、非常に残念な作品だった。
伊藤沙莉さんの声も浅草のキャラクターもとても苦手だった。