どどる さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
復讐ものの最高の形の1つ
まず、イドは究極的には設定は重要ではないアニメだと思います。
感情で見ていても大切なものを見逃しにくい構造、設定がその補助をしていると受け取りました。
{netabare}
私がとにかく感心したのは、話の時系列です。
まず作品以前の時間に家族が死に、鳴瓢が対マンを殺害して名探偵になる。
1話以降、坂井戸が連続殺人者全体に復讐する者としての姿を現してくる。
そのあと、家族と会う。
鳴瓢の心理的な動きをさんざん描いたあとに家族と会う。
過去編とかでなく家族がいなくなった鳴瓢が家族に会う。
これですね。
この家族と会った世界が井戸の中の井戸、つまり無意識のさらに奥にある集合的無意識のことだと思うんですが、まあまあ飛躍して死者の無意識は集合的無意識を介して交信できるという意見もあるようです。
現実ではともかくSFではできます。
つまり、井戸の中の井戸で鳴瓢が会っていた家族には家族本人の無意識が入っていたと受け取ることもできる。
これですねえ!たぶんだけど!
{/netabare}
とにかく素直に受け取りさえすればオーケーな構造だと思えます。
家族ドラマの部分だけでもがっつり面白いのにちょっとゆがんだ男女の情も入れ込んであって娯楽ミステリとしておもしろくてすごいやつです。