どどる さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
日常的に不幸
マギアレコードのおもしろいところは、不幸の示すものが「死」ではないこと。
死をゴールにすると、どうしてもパニック映画めいたゴタゴタした部分が出来て、不幸な女の子たちの情緒を楽しむ部分と相反するふんいきも出てしまう。
まどマギの裏の主人公であるほむらちゃんの不幸が自分の死ではなかったように、マギレコの少女たちもそれぞれ死からはちょっと距離を取り、各自の問題を抱えている。
それでいて、死が遠くはないこともときどき示される。
不幸との向き合い方も少女っぽくてよい。
個人的にもっとも気に入ったのは、双葉さなちゃんが家出をするシーン。
日用品を取りに戻って、自分からは家族を確認して、そのまま家を出てくる。
書置きを残したりはしないし、日用品を取りに戻ったことをあえて隠すこともしない。
登場人物に「ちゃんとした行動」を取らせようとせず、世の中に手も足もでない年齢相応の小さい女の子らしさが強く出ているように思える。
EDのやちよさんエレベーターの階数表示が日数を示しているっぽかったり、マグカップやレインコートの畳み方など小物で各自の性質の違いをちょこちょこ示してくれたり、ちいさく情緒を入れてくるのが気持ちよい。