ふぁんた さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
美しい色にあふれた物語
PVを見てこれは期待できると楽しみにしました。
さすがPAと言う他ない美しい背景と色使い。背景はため息が出るほど本当にきれいです。1話目の絵の中から色が溢れ出す演出は本当に掴まれました。
色が重要なテーマになっている作品だから光の演出にもすごくこだわっていて、夕日や川に反射する光、逆光、路面電車の動いてくる光をキャラたちの気持ちの演出にうまく使ったり、見せ方が素晴らしいです。
カワイイ女の子たちがいつも頬を赤く染めていてそれだけでキュンキュンします。
キャラデザのフライさんの女の子は繊細でどこか秘め事がありそうな不思議な雰囲気です。こんな子達がクラスメートにいたらカラフルな思い出が出来たでしょうね。
画集が欲しくなっちゃいます。
魔法、色を失ってしまったこと、60年前へのタイムトラベルという3つの大きな柱があります。{netabare} 1話目でいきなり飛ばされてこれはなかなか面白いぞとワクワクしましたが、凪のあすから同様、なぜその舞台装置で恋愛ものをやるのだ!となりました。
凪は浦島状態もうまく利用して恋愛模様を素晴らしく昇華していましたが、本作はちょっと普通すぎる恋模様でこの舞台装置でなくてもと言わざるを得ません。
とにかく要素すべてが中途半端な扱いでうまく料理しきれなかったなという印象です。
まずおばあちゃんと同級生になる面白さをもっと利用できなかったものか。ただの姉や親戚のおねちゃん程度の描かれ方しかしなかったですね。
そして琥珀が魔術完全上位だから、瞳美の未来から来た魔法少女の特別感が薄らいでしまっている。
部活をそんなにフォーカスするよりも魔法で仲間達を幸せにしていくストーリーを主軸にするべきだったのではと思う。
写真部なんて地味だし、実際キャラ達が全然物語を動かさないなという印象でした。
いい舞台を作り上げているのだから人々を幸せにすることで、最終的に自分が救われて色が戻るとか、なんかなんでもやりようがあったと思う。
思い出したように色がない、、的に出て来たり、魔法出したり、部活で青春友情して、恋をして、、とストーリーがとっちらかるので、どこに主眼をおいて見ていけばいいのか置いてけぼりになります。瞳美視点になるとモノクロームになりますが、この演出を放送時間の半分くらい入れてもよかったのではないかなと感じます。おそらく「色がない世界=人を拒絶して作った殻」というメタファーでしょうから、色がない世界の深刻さをもう少し視聴者に共有して欲しかったです。
紙飛行機のシーンは素晴らしかったですね。あんな風にうまく魔法を絡めて友との関係を深めていくストーリーであればなあと感じます。
このシーンは瞳美らしい可愛らしい魔法で想いを紙飛行機にのせて届けるなんて、、もうたまらないですよね。
最後抱きついた瞬間変な声で叫んでしまいましたよ。このシーンはすべてが完璧で本当に良かった。
バックにやなぎなぎさんの歌が切なくずっと入っていてそのままエンディング、、これは引きが相当すごかったですよ。
どこかのシーンで瞳美が子供の頃見た絵本だけ色があった的なことをポロッと言ってて、これゆいとの絵本やろーと予想してましたがズバリ正解!
最後の絵本読みつなぎは涙腺攻撃がやばいです。絵本を通してみんなと再会できたのかと思うとすばらしい演出です。
歳をとったみんなが出てくるよりも心に残る素敵な演出でした。{/netabare}
舞台設定は素晴らしく背景作画は神がかっていますし、色使いもめちゃくちゃ綺麗。
あともう一歩ストーリーがよければ名作になっていただろうにおしい作品です。