tag さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

声優豊崎さんの怪演と物語の衝撃展開にやられました

面白かったです。結構、見終わったあとも心に残るものがありました。

原作の良さを、非常に上手くアニメ化したことと、豊崎さんの素晴らしい仕事が両輪だったと思います。

成分分析をすると、ストーリーはさほど複雑ではないです。プロットもストレートに貼ってあり、きちんと回収。ある意味、昨今の業界でいえば、複雑というよりシンプルな作品。ではなんで、こんなに心に残るのか？

まずは豊崎さん演じるキャラのセリフは、口に出していることより、心の中で思っていることのほうが多いです。なので、演技は結構難しい、というより、心理描写する以上、極端に演じる必要がある。それを豊崎さんが完璧”以上”にこなしたことで、視聴者は一種の催眠術というか、酔った状態というか、豊崎さんのキャラに共感・同化してゆきます。ここで、視聴者の視点というか心点の固定化が達成できました。

ここからは、ある意味簡単です。作品中でどんなことをしでかそうが、豊崎さん演じるキャラ視点（解釈）で視聴者は作品を見てしまう。客観的には騙されているんだけど、主観的には、自分の想いであると信じて物語を追ってしまいます。

そして十分に視聴者を引き付けた後で、180度転換。そこで繰り広げられるストーリーはそれだけみれば、何てことない展開。だけど、豊崎さんの怪演によって、キャラと同化してしまった視聴者にとっては、心に刺さって抜けなくなる。

えー、身勝手な分析をしましたが、まあ、エンタテイメントなんて、そういうものです。わかっていても乗ってしまうのが人間、「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」と言うわけなので、一緒に踊って楽しむにはもってこいの作品です。