森可成 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
嗚呼、ハートフルタンクストーリーですね
頭を空っぽにして、ひたすら集中してのめりこめる
至福の2時間。
ハートフルタンクストーリーなる謎の単語を
アニメ放送前に知った私のモヤモヤはここで完全に
払拭されました。
エリート校出身の主人公が戦車から足を洗う為に、
転校した高校で、再び戦車に乗って全国大会を目指す。
女子高生が戦車に乗る、それ以外は極めてシンプルな
ストーリーであったアニメ以上に劇場版は
シンプル極まりないものです。
「廃校を防ぐ!」
ただそれだけ。
このシンプルさを是とできるか、
まずそこで、この作品への適性が問われます。
はっきり言えばガルパンにはストーリーは
重要ではありません、
アクセントに過ぎないのです。
重要なのは、女子高生×戦車×スポコンという
頭のおかしいコンテンツが活きているかだけです。
アニメでも十分活きていたコンテンツでしたが、
劇場版では一歩も二歩も突き抜けてしまいました。
最初にしゃべるのがダージリン様ですから。
しかもめっちゃ撃たれてるチャーチルの中。
解説も紹介も一切なし。
そして、これだけで作品として成立するであろう
エキシビジョンへとなだれ込む。
駆動音、轟音、女子高生の叫び!
突き抜けておられる。
この開始20分でもう満足なのに
さらに押し寄せる女子高生×戦車×スポコン。
泣かせるプラウダ。
試合外でも活躍サンダース。
やっぱり頼れる黒森峰。
みんな大好きアンツィオ。
大洗連合の立役者聖グロ。
お笑い集団知波単。
影の主役継続。
強すぎる愛里寿。
もちろん大洗の各チームもそれぞれ活躍します。
その戦いを変態的な拘りを持った
作画、カメラワーク、SEが支えます。
たわむ履帯、きしむ車体、震える砲身、飛び交う砲弾。
もはや語彙力が仕事しなくなるレベルですよ。
皆が例の呪文を唱えるのもむべなるかな。
エンディングを観終わった後の寂寥感と満足感は
極大という他ありません。
笑いあり、涙あり、友情・努力・勝利あり、
人生に大切な全てのものがつまっている、
そんな作品です。