ワドルディ隊員 さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
見ていると徐々に不愉快な気分が溜まっていく
このアニメは、鳥居なごむのライトノベルを原作とした作品である。
このアニメよりも後に原作を知ったため、原作に関しての
コメントはできない。
内容はいわゆるダークファンタジー物であり、異界士と妖夢の
戦いがメインとなるため、バトルアクションとしての側面を持つ。
この作品を視聴するきっかけについて少し書いていきたい。
以前、京都アニメーションの作品一覧について調べていたのだが、
その際にこのアニメが記載されていたのを確認。制作に携わっている
会社がMAPPAや、WIT STUDIOであれば特に違和感がないのだが、
境界の彼方に関してはなぜか京アニという事に疑問を抱いた。
全作品を網羅しているわけではないが、京都アニが
部活、青春、日常に頗る特化している会社であるのは知っている。
それなのに、よりにもよってなぜダークファンタジーなのかと
口に出さずには居られなかった。
それならいっその事視聴しながらその理由を探っていけば、
辿り着けるのではないか。そう判断し、このアニメを見るに至った。
全体を通した感想だが、(予想通りではあったが)京都アニと
ダークファンタジーの相性はすこぶる悪いなというのが
第一印象だった。
見終わってから、なんとなく京アニがこの作品を選んだのも
分かったような気がするがそれに関しては下記に後述したい。
少なくとも見終わってから、直ぐに見直そうという気持ちは
私には沸いてこなかった。まずは良かったところから。
(定型文にはなるが)作画に関しては群を抜いている。
戦闘シーンにおいても抜かりはなく、京アニファンなら
確実にくぎ付けになるレベルだと認識した。
原作がダークファンタジー物というのも相まって設定は
好みの部類に入る。まあ、自分が最後まで何とか視聴できた
理由はこれに尽きるのだが。
10話の回は、緊張感があり中々見ごたえのある作りに
仕上がっていた。
個人的には10話の様な臨場感を全12話に
張り巡らさせてほしかったのだが…。まあ、仕方なかろう。
そんなことをすると、日常系要素が消失しちゃうからね☆
ここからは不愉快になった点を。
やはり、日常系とダークファンタジー系を組み合わせたことで、
かなりテンポが悪くなった。その上、変に両方の要素を
無理やり取り込もうとするので、ストレスを感じた。
序盤から中盤に至るまでの展開は、私にとっては拷問に等しく
苦行を強いられることになった。
要所要所で妖夢が、異界士の近くに出現し、戦闘を終えた後、
儚い命を散らしていくまでのシーンでなんとか
食いつないでいったような気がする。
6話に登場する妖夢の性質やリアクションは割と好みだったが、
それ以外の部分でかなりストレスを感じたため皆が思う程の
爽快感を得られなかった。
{netabare}
クライマックスになるにつれ、歌とダンスが異様なほど
強調され、メンバーが本来の目的を見失っている上に、
結局妖夢が倒されないという落ち。
ギャグに異様なほどの力を注いでいることは構わないのだが、
この作品にはあまりマッチしてないような気がする。
{/netabare}
8話から少しずつ興味が湧いてきたので(ほんのちょびっとだけ)
期待したものの、最終話で気持ちが萎えてしまった。これに
関しては、かなりの反感を買っていたことが他の方のレビュー
にも見て取れた。私もそう思う。(やはり京アニがこれを
担当したのは間違いだったのでは?)
主人公陣営にあたる異界士たちに魅力的な人物がいるとは
言い難い。初っ端から異様な眼鏡フェチの男子高生と
不愉快を連呼する通り魔まがいの女子高生の出会いから始まり、
超シスコンのお兄さんや一歩間違えれば毒親と認知されても
仕方ない母親が登場するという有様。
それらのやりとりを見せつけられた後、やっとまともな人物が
姿を現すのだが、最早手遅れ。人によっては変態の集まり
かなとしか思えない。(但し、例の女子高生に関しては10話で
その動機がきちんと明かされるので安心して欲しい。)
予想していたものの、やはり自分は妖夢の方へ関心が
向いていた。どっかのアニメと同じで、妖夢に変な
台詞回しや(延々と)むず痒い動作は一切与えられてないからね☆
そして、圧倒的に説明が不足しているという点。見終わった後でも
色々と解決されてない場面が多く、疑問しかわいてこなかった。
神原 秋人の生い立ちは?藤真弥勒の狙いは?
そういえば、文芸部にはあと2人幽霊部員がいると
ほざいていたがそれはどうなったのか?等々…。
これを1クールで強引にまとめるのは、余りにも
無謀としか言いようがない。
よくよく調べてみると劇場版があるようだが、劇場版に
目を通せば、それらの謎全てが解き明かされるとは
到底思えない。2期を制作したほうが賢明だろう。
私からは以上。
京アニが、境界の彼方を選んだ訳だが、(苦し紛れながらも)
自分なりに思いついたので箇条書きで書いていこうと思う。
・鳥居なごむ氏から京アニへアニメ化の要望があった。
・境界の彼方は京都アニメーションが発行する
文庫レーベル「KAエスマ文庫」から出版されていた。
・京アニスタッフの中に鳥居なごむ氏との関係性が深い人物がいる。
・京アニスタッフの中に神原 秋人と心を通わせる
レベルにまでに達している眼鏡フェチがいる。
辺りだろうか。
だから何だという話だが、ただの戯言に過ぎないので
忘れてもらって構わない。(流石にいないと思うが)
ダークファンタジー物を心の底から愛している人ならば
視聴すべきではない。我を忘れて怒り狂う可能性があるからだ。
別のダークファンタジー物へ目を向けることに時間を割いた方が良い。
京アニ作品全般が好きな方であれば見る価値はあると思う。
私は強く勧めない。