猫上 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
この作品の意味
「四月は君の嘘」を視聴し終わった後感じたのは、圧倒的な切なさと、かをりに対する愛おしさである人が大半だと思います。(勿論僕もその1人でした)
かをりの手紙によって、最初で最後かもしれない2人の演奏に懸けていた想い、公生個人に対する想いなどを知ることによって、よりこの物語が深くなると思います。
しかし、この物語は「かをりが助かり、演奏は成功したハッピーエンド」ではなく、「かをりは助からず、演奏は大成功したビターエンド」になったのは作者が込めた意思があったからではないかと思います。
この作品で伝えたいことは「かをりの儚さ、文字通りの一生懸命さ」だけではありません。これは前述したハッピーエンドに置いても言えることだからです。
おそらくこの作品は「大切な人を失った悲しみに向き合い、上を向く」ことがテーマなのだと思います。公生は作品中でそれを克服し、未来へと歩を進めています。我々も物語が進む中、登場人物に感情移入した結果かをりという大切な人物を失いました。だからこそ、その悲しみを切なさのままにしておかず、公生のように自分でかをりという人物に「さよなら」という言葉をかけることで、この物語を「読み終える」ことが出来るのではないでしょうか。
本当に美しく、希望に溢れた物語だと思います。