「凪のあすから(TVアニメ動画)」

総合得点
90.4
感想・評価
6470
棚に入れた
25616
ランキング
53
★★★★★ 4.2 (6470)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.2
音楽
4.2
キャラ
4.2

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ネタバレ

ふぁんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

透き通った青い海のような美しい愛物語

とにかく絵が綺麗で小物のデザインまで凝っていて世界観にめちゃくちゃこだわっている作品です。空や海の青以外にも壁や障子、服など要所要所に青色が入っていて、海とともに生きている町なんだなという印象が強く感じることができます。錆の表現にもこだわっていて少しノスタルジックな雰囲気も醸し出しています。花咲くいろはの時は桜のピンク、オレンジなどの花やかな色があり、新しいスタートの印象がありましたが、今作の青は登場人物たちの透き通るような純粋な思いや、若さ、青春を表しているかのようです。色と印象って面白いですね。

人物作画も最後まで崩れることがなく目や視線の動き、表情での感情表現などレベルが非常に高くP.A. Worksの情熱を感じることができる作品です。正面顔ばかりではなく色々な角度の顔を素晴らしい画力で描き上げているのでキャラクターたちの表情がとても豊かに感じます。
こういう作品を丁寧に作ってくれる制作会社、スタッフの皆さんには本当に感謝したいです。


海町と陸町の対比がよくできていて1話目ですごく引き込まれました。うろこ様の存在や家の中を魚が泳いでいたり、町の中を泳いで陸に上がったり、サントリーニ島のような街並みなどファンタジーな雰囲気に海町や人々の生活や風習はどうなっているのか楽しみでした。
{netabare}この物語は海と陸の町の生活様式のギャップを乗り越え、若者たちの青春群像劇的な展開になるのかと想像していました。しかしここまで恋にフォーカスしていく物語になるとは想像できませんでした。海町の設定が面白いだけにもう少し海町の人ならではの恋愛の仕方や変わった風習に囚われているなどそんな展開も見たかったです。{/netabare}


恋については{netabare}恋心の矢印がみんな玉突き状態になっていて上手くいかないものだなあとそわそわしていましたが、2期の紡とちさきの関係は納得でした。仲間がいなくなり5年も二人支え合ったのに中学の頃の思いを引きずっているのは流石に無理があると感じていたので二人くっついてよかったです。
要とさゆの踏切のシーンはとても美しい光景でした。あのシーンでなんか秒速を思い出してしまったのでバッドエンドにならなくてよかったです笑
それにしてもアカネの旦那は少子化問題のある海町の若い娘を二人も陸揚げしてしまうなんて罪づくりな男ですよね。すごくいい人ですが。{/netabare}


2期からの展開は愛や主要人物の人間関係の視点からは非常に面白く、{netabare}5年の月日によって成長してしまった元同級生と妹分だった現同級生。この絶妙な期間の浦島状況で1期の頃に立てたフラグが見事に2期の中心物語になってくるとは驚きの構造です。欲を言えば光が起きる前にもう少し美海の恋心の強さを描写して欲しかったです。2期最初は少し美海の愛情の強さに置いてけぼりを食らいました。多種多様な愛の形をうまい具合に落とし込み、綺麗に畳んだ展開には素晴らしいの一言です。まさかうろこ様もとい海神様の愛までしっかり解決していくとは思いもよりませんでした。最後のお父さんがアキラと会う、あのような幸せな家族愛は本当に涙が溢れてしまいますね。
展開としてエナが紡や美海にも発生するのかなと思っていましたが、もう少し海町の血を引いているのにエナがないコンプレックスや逆にそのせいで孤立感がある、海町の人々とそのせいで分かり合えないなど、二人を曇らせてからエナが発生して欲しかったかなと思いました。
ストーリー上仕方がないのですが、大きな構造の一つ、海町成分が2期はほとんどないのでそこらへんは残念でした。私は海町と陸町の対比の舞台が非常に気に入っていたので寂しかったですね。{/netabare}


うろこ様は本当に素晴らしいキャラクターですね。この作品で一番お気に入りのキャラです。彼がいるだけで超常的な現象は神様の使いがいるような世界だから大丈夫と思えてしまいます。イケメンイケボにも関わらず意外と融通のきく、では好きなようにやってみろという海町の民への愛情が素敵です。
個人的に美海の髪型が弥生人にみえてしまいイマイチ芋くさいというか、ヒミコさまーが頭にちらついてだめでした。


1期2期ともにop/ed素晴らしく、edの引きの良さは素晴らしいの一言です。やなぎなぎさんの歌声はこの作品舞台のノスタルジックで海町が{netabare}冬眠してしまう悲劇にとてもあっていて{/netabare}感情を揺さぶられます。opも透き通った美しい歌声で作品の青さを象徴するようで同様に素晴らしいです。
opを歌っていたRayさんは2017年で引退されたようです。他作品でも知っていた方だったので残念ですが、新しい夢に向かって頑張って欲しいと思います。

投稿 : 2020/04/18
閲覧 : 229
サンキュー:

7

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