STONE さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
最前線は続く
原作は未読。
内容的にはテレビシリーズの続き。
作品世界は相変わらず第二次世界大戦(以後WW2と表記)を思わせるもので、本作は
アフリカ戦線と東部戦線を思わせる内容。特に主軸となる東部戦線は現実の独ソ戦のように、
これまで以上に過酷な印象。
兵器などはテレビシリーズにおいては第一次世界大戦とWW2の折衷的印象だったが、本作では
だいぶWW2に寄ったみたい。
これまで個としての強さは主役であるターニャ・デグレチャフが抜けている感があったが、
本作では並び立つ存在であるメアリー・スーが登場。まあ一種のライバル登場だが、なんとも皮肉な
キャラクター名で存在Xが面白がって作ったんじゃないかと思ってしまった。
この二人、戦争に参加する理由はまったく異なるものだが、根底にあるものが愛国心などではなく
自己理由である点など、実は結構似ているんじゃないかと。
この二人の空中戦は劇場版クオリティということもあって、スピーディーで見応えあり。
このシリーズはターニャが活躍すればするほど、戦局や自身の配属先が本人の思惑から
ずれていったり、回りのターニャの本質とは異なる誤った評価などが面白かったりする。
他にもターニャ自身のいたずら心を含んだような行動など、全体的に戦時下ゆえの乾いた
ユーモアが漂う。
本作もそんな空気が漂うが、そんな中でシリアルな空気を纏ったメアリーだけが浮いているような
感があり、その空回り感が逆に面白かったりもする。
ターニャと存在Xの会話こそなかったものの、ターニャとメアリーの死闘やラストのターニャの
落胆振りをどこかで楽しんで見ているかのよう。
2020/04/16