oxPGx85958 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
こういうラブコメをもっと見たい
2期の最後まで見ました。こういうsitcom(シチュエーション・コメディ)的なラブコメは大好物なんですが、意外なことにいまのアニメ界には見て楽しいものがあんまりありません。本作は自分の好みにぴったり合ってるというわけではないけれども、あればあるだけ全部見たいというぐらいに満足しました。
主人公を演じる逢坂良太の嫌味のない透明さが凄いなと思いました。引っかかりのない平凡さと呼ぶことも可能なこの人のこの特性は、この手のハーレムものにはぴったりだと思います。本作の主人公には他人に親切だということ以外に特徴がない。そのことが、本作の多様なヒロインたちとサブヒロインたちが彼に惹かれていくことにかろうじての説得力を持たせているのだと思います。何のクセもないから、周囲にいる女の子たちは、それぞれの「理想的なボーイフレンド」像を投影できているのだろうな、と。
またそれゆえに、ヒロインたちとサブヒロインたちの恋心をそのままストレートに受け入れて楽しむことができる。「なんでこの女の子がこんな男の子を好きになるの?」という疑問が視聴者の側に生じる余地がないほど、主人公に引っかかりがない。「親切にしてくれる人を好きになるのも不思議ではないわな」ぐらいの感想しか生まれない。
ほぼ同じ時期に、設定が似通っている『五等分の花嫁』が放映されたことが話題になりましたが、あちらが失敗していた理由の1つは、松岡禎丞演じる主人公に自我と個性があったことだと思います。というか松岡禎丞は(あるいは彼がよく演じるタイプの主人公は)本質的にハーレムものは向いていないのではないか。
古橋文乃を演じる白石晴香と武元うるかを演じる鈴代紗弓が、渾身の演技で振り切っていたのに対し、(私の理解では)天才肌の演技派としてキャリアをスタートさせていた、理珠を演じる富田美憂がいまいち弾けていなかったのが興味深かった。
アニメ第2期の話ですが、2期第4話に出てくる、英語を喋る外国人2人が、利根健太朗と木村昴だったことにはびっくりしました。てっきり英語のネイティブ・スピーカーが起用されていたのだと思いました。利根健太朗が英語を得意としていることはよく知られているようだけど、プロフィールを見ると小学生のときに3年間アメリカに住んでいただけなので、日本に帰ってきてからも頑張って維持してきたのでしょうね。木村昴については、『ゾンビランドサガ』の第2話でのラップを歌っていたのが歌手プロパーでなかったことを知ってびっくりしたことがありましたが、その後、ヒプノシスマイクというものを知り、素直にかっこいいなと思いました。日本語のラップでかっこいいと思ったことはほとんどないので、女性向け男性声優コンテンツという分野にこういうものがあるのを知れたのはよかったです。とはいえいまのところ楽しめた曲は「Division Battle Anthem」しか見つけてないんですが。