シャベール大佐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
本格的なSFの雰囲気の中で描かれる、少年と少女の王道の冒険物語
「アーヴ」と呼ばれる種族が強大な帝国を築いて宇宙の半分を支配しているという、遥か遠い未来を舞台にした、サンライズ制作のSF作品。全13話。
主人公のジントは、幼少のころ、とある惑星の指導者だった父が帝国への降伏と引きかえに叙爵されため、その息子として自身もアーヴ貴族の一員になっているという設定。物語は、学校を卒業して兵役に就くため帝都へ向かうジントと、任務として彼を迎えに来た皇帝の孫娘・ラフィールが、様々なトラブルに見舞われながら旅していく様子を描いていきます。
個人的には、最初の数話の時点では、それほど引き込まれなかったのですが、ジントとラフィールが出会ったあたりから一気に面白くなってきて、途中からは楽しみに観ていました。壮大なOPテーマ曲や、アーヴ語による冒頭のナレーションなど、SF作品としての雰囲気や設定は本格的ですが、内容自体は意外とシンプルな、少年と少女の冒険物といった感じなので、あまり難しく考える必要はありません。それぞれ育った環境や物事に対する考え方の全く違う2人が、よく話をすることによって相手のことを理解し、降りかかる困難な状況に対しても、力を合わせて乗り越えることによって絆を深めていく過程には、無理なく共感できます。2人の関係性も、過度な甘ったるさがなく、常にある種の品の良さのようなものがあって、好感が持てました。全体のストーリーも綺麗に纏まっていて、後味も良かったです。
キャラは、いつも強気で誇り高く、でも純真なラフィールが魅力的でした。レクシュ艦長、セールナイ、スポール准提督などの脇役も悪くなかったです。作画は、今回J:COMでHDリマスター版を観たのですが、それでもやはり古さは感じました。
最後まで観終わって、古き良き王道の物語という感じで、かなり面白かったです。キャラデザや作画はともかく、中身は最近のアニメにも決して負けていないように思いました。