ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
エピソードが物語になるとき
人は色々なイベントを経験しながら成長する。そこには必ず、喜びや悲しみ、苦しみ、そして痛みといった感情が、セットとして記憶されてゆく。
なんといっても15歳である。
大人を意識する中での恋愛、友人関係、そして否が応でも迫られる進路決定である。それぞれのイベントで、情動と共に記憶されるエピソードが物語となるのは必然だ。
各話のサブタイトル、エピソードを的確に落とし込んでいることは想像に難くなく、視聴前からザワザワさせられた。
なにより、主人公のモノローグと共に語られてきた小説、その終わりが“それから”である。後には“門”と“こころ”が控え、主人公の中二病的独白が「太宰は言った」であるなら尚更だ。
まあそれでもCパートはありがたかった。
緊張感かほどける瞬間であり、ある意味、救われる思いがしたのは確かなのだ。
これは海馬の奥底ににしまい込んだ恥かしい記憶を呼び起こしてくれる良作だ。
まだ蛍光灯の紐がある部屋の住人ならばシャドウボクシングをしながら、または「う~ん」と身もだえしながら観てほしい。
我々、それぞれの物語がどんな結末を迎えていようと、あるいはまだ続いているとしても、そこになにかしらの活力をあたえてくれるはずである。
構成脚本は柿原優子、オリジナルストーリーである。
素晴らしい。