oxPGx85958 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2019年の個人的ベスト作品
いまのところ、私にとっての2019年のベスト作品がこの『まちカドまぞく』です。これが朗報なのかどうか、いまだに決めかねています。
このアニメは「才気」だけで作られているような作品なんです。語るべき大きな物語がない。ところどころにある気の利いたプロットを、スタッフとキャストの才気で、高い完成度のエピソードに仕上げたものが連なっている、という類いのもの。このため、そこの部分だけを切り出して楽しめる人以外にはなかなか勧めにくい。
あと、この「才気」の部分が広く共感されるかどうか、私にはいまひとつよくわかりません。同じ桜井弘明監督の『斉木楠雄のΨ難』と共通する、このタイミングの取り方やセリフ回しの演出は、ちょっと古いかもしれない。私は昔のスラップスティック・コメディを連想しますが、80年代頃のアングラ演劇を連想する人もいるかもしれない。いずれにせよ、他に類似するアニメをいまはあまり見かけないことから、コンテンポラリーな感性ではないのかも。
小原好美が演じるシャミ子も、鬼頭明里が演じる千代田桃も、萌えアニメにありがちなキャラクターだと思うのですが、どちらも他では見たことのない味と、なんというか根本的な善良さを備えていました。この点も『斉木楠雄のΨ難』と共通している。ステレオティピカルなキャラクターにハートウォーミングなプラス・アルファがある。
これが初のメイン級キャストである陽夏木ミカン役の高柳知葉の名前も覚えておこうと思います。