「アルテ(TVアニメ動画)」

総合得点
72.1
感想・評価
274
棚に入れた
917
ランキング
1204
★★★★☆ 3.5 (274)
物語
3.5
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 1.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

時代物…物語は楽しみ。フィレンツェの風景は…レベル低すぎかな 12話まで視聴

原作未読。

女性が主人公で時代物。

よくよく考えると1970~1980年代はこういう作品は多かった。ただ、昔は少女が主人公で、視聴者としては子供が相手だけど、物語の背景、歴史、設定、そうした骨格部分は大人が納得できるしっかり作り込まれたものだった。それこそSHIROBAKO本編で登場するエピソードのように…。そして、実際、若き日の、その後のアニメ界の巨匠たちが演出や監督を努めていた。

そうした昔の作品たちと比較すると…。もうちょっと時代背景や、歴史をしっかり構築したほうが良かったな。原作には書かされていないのかもしれないけれど、そうしたディテールをもっと描いてほしい。いちばん稚拙なのはフィレンツェの風景を含めた16世紀イタリアの街並みや風景。

自分もそうだが、実際に行ったことある人や住んだことがある人は、この風景は、実物を見たことがなく、写真素材をなんとなく模写しているのだろうな…と、物語が始まって数分で感じ取ると思う。例えば、ミラノから美食街道を下り、パルマ、モデナ、ボローニャ、そこから山越えをしてムジェロ、フィレンツェ、地中海に出てピサ、そこから海岸沿いにジェノバ、そして再びミラノへと戻ると、都市国家だったイタリアの街ごとの違いをはっきりと感じるし、そうしたディテールを風景や背景に取り込めることができたら、きっとすごく物語への没頭感というか、入り込めると思う。イタリアは設定時代の建造物や街並みは、かなり残っているだけに、とても残念。

同じように脚本ももっと時代背景を検証して、原作に盛り付けができていればいいのに…。現状は明らかに力不足。

そもそも、これって視聴者のターゲット年代はどこなのだろう? 本来は子供から中学生くらいまでがターゲットとして想定できるアニメかと思うのだけど、画や受ける印象はもうちょっと上の世代がターゲットになっているようで、ミスマッチを感じる。

キャラクターの作画は、まあ明細ではないけれど、最低限レベルはあるかと。褒められるレベルではない。

声優さんは、主人公…もうちょっと感情入っててもいいかも。画がいまいちでも、慎重勇者のように脚本と声優の力で物語に入り込める例があることは実感しているので、今後は主人公含め、声優の力量次第かなぁ。現時点ではキャラと声が乖離しているというか、声に演技力や表現力を感じないというか…。ぶっちゃけ、下手じゃね? という印象。八十亀ちゃんかんさつにっきはキャラと同化していたんだけどなぁ…。

個人的にはこうした1970年代、1980年代を懐かしく感じさせる成長物語のアニメは、もっと増えて欲しいので、楽しみに見ていきたい。それとアルテみたいなキャラクターは好き。予算と、制作スタッフの力不足が、すべての部分で感じられるけれど、頑張ってもらいたい。今後の期待を込めて、甘々の採点で。

■3話視聴

うーん、やっぱり時代背景の説明が全然足りていない。丁寧さが足りない。というか、基礎レベルは多少説明した方がいい。謝肉祭なんて日本では馴染みがないのだから、世界ではカーニバルと呼ばれることやイタリアではカルネヴァーレと発音すること。程度は説明しても良かったろうに…。

また海と山岳部を結ぶ交通の要所で食材が豊富なフィレンツェだと、多様な食材があること、お菓子が当時から発展していたこと。アルテは貴族出身で、若いのだから、そうした食材知識はあるはずなので、その程度の説明はナレーションなり、画で見せることは可能だったはず。

解剖学で女だとバレたシーンもだけど、あらゆることに説明が足りていない。ほんのちょっとしたことなのに、脚本に厚みが足りない。監督以下、知識が足りていないことが如実にあらわれている。当然、声優にはそんな説明もないだろうから、さらにヌケサク状態になってしまっているのだろう。WEBでアルテの食材を再現というのを観たが…あー、知識が本当にないんだな…というのがよくわかったので、、この作品では設定や時代検証、さらには雑学部分がまるまる足りていないのが、魅力を大いに削ぐ原因になっていると思う。

見習い説明は会話で入れていたけれど、うーん、最低限この程度の説明を各所に散りばめる必要がある。アルノ川の描写も、全部、写真とかであるような画ばかり…。スタッフは行ったことないんだな…。夕刻とか川沿いに陽が落ちていき、レンガに色づいてすげーきれいな風景を観ることが出来る。川を見る角度が同じな時点で、画家としての成長以前に、画家を表現できていない…。アルプスの少女ハイジを、当時の宮崎駿や高畑勲は、実際にアルプスに行き、現地検証をした。実際に体験しなければ、あんな背景や描写は生まれなかったろう。アニメーターや監督、演出が見る視点と、観光素材や、ネットに出回る程度の素材画像はまるで違う。その視点がないのに、無理やり中世のフィレンツェを描いても、そりゃ薄っぺらくなる。自分が知らないから、原画スタッフや声優にも肝になる部分を伝えられない…。すべてが悪循環。

せっかく物語としては良い素材なのに…力不足で伝えられないのは残念だ。

■4話視聴

冒頭のパン焼きの説明や、娼婦の実態を多少触れていたのは良かった。
ただ、背景画が悲しいほどに下手というか、論外。

そして、やはり文化面での説明が少なすぎる。原作マンガはカット割りやページ成約で細かく描写できないのだろうが、アニメはそこをちゃんと細かく描写することで深みを出せるのに…。

物語は悪くないが、中世である必要性が感じられなかった。まあ、そこは原作ベースなので仕方ない。女性の成長物語という考えで見れば次第点。

物語を少し評価。作画は評価下げた。声優は主人公がとにかく頑張ってください。声と画の乖離が…。

■10話まで視聴

ストーリーはフィレンツェの修行で段々周囲の男社会のなかで認められるなか、突然フィレンツェへ舞台を移動する展開に。そして、一人の少女の家庭教師役を担うことに。

その少女は幼女時代に育った乳母の家庭を家族と思い、現在の本当の家族を認めていない。家族も少女を見ていない。という感じ。

まあ、この時代の封建制度のなかにある社会性を表しているのだろうけど、やはり色々と薄い。親子関係の修復とか、伝わらないなぁ…。「本好きの下剋上」の方がファンタジー世界なのに、こうした封建制度や親子の関係性、社会の関係性をうまく表現しているし、その問題点等もしっかり描いている。

それと文化面がとにかく浅い。パン粥とか、あー、わからなくはないが、せめて何をどう作っているのかを説明した方がいい。古いパンを使ってって…は? という感じ。女性がテーマなのだろうけど、すべてがブレブレな印象。物語の評価を下げた。

残念だなぁ。ベタはベタで世界名作劇場のように良い作品はあるのに…。そういう路線を現代版で目指しているものだと思っていたのだけど違ったようだ。


■12話まで視聴

うーん、結局何を伝えたかったのだろう??? ストーリーが稚拙だったかなと思う。世界名作劇場のような完全な子供向けアニメに仕立て直した方が良かったのでは?

実際に実在するフィレンツェやヴェネチアの背景は作画が酷すぎて、良さが何ひとつ伝わらなかった。実際に行ったことがある身としては、非常に残念な作品だったかなと思う。

投稿 : 2020/06/20
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サンキュー:

7

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