北山アキ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人種差別をテーマにすれど、説明はしない作品
最後まで観て
1話時点で予想したより、構造的な問題を単純化し過ぎないように頑張ってた。
でも、落としどころどうすんのと引っ張り続けてからの、最後に{netabare}選民思想{/netabare}ドーン。
途中経過は何だったのかって落とし方だと思う。
折しも米国でジョージ・フロイド事件が起きて、systemic racism(和訳すれば構造的人種差別という感じかな)が改めて議論になっているけど、この作品はそういう現実の解釈にも失敗していて残念な感じで終わってしまった。
チャレンジは伝わるんだけどね。
現実世界のシステムとは資本主義システムのことで、右であろうが左であろうが政治はそのシステムの運用の都合で投入されるパラメータでしかない。
人種主義も政治の産物なので、結局、経済システム(とその歴史)を見ないと理解できない。
意図的なのかもしれないが、「経済」を省いてしまった時点で説得力は持ち得なかったのだと思う。
個人的ピークは2話のラスト。
振り返ってみれば、ここは「経済」が働いていたかな。
1話観て
この全力疾走感は流石です。
もろに香港だから、世界最大のマーケット・中国で流せるのかしら?
と余計な心配をしてしまう。
過激派のやり過ぎ描写もあり、バランスはとってるとしても。
メインランドと香港の関係は日本にとっても対岸の火事ではなく、
近いうちに日本も香港の立場に立たされるのかもしれない。
ご主人様が米国から中国に入れ替わるだけって言えばそれまでなんだけど。
だから、中国対して日本が覚える不安感は、宿主を変える寄生虫のそれ。
でも、物語としては寄生では格好がつかないから、抵抗と共生の両局面において得点して癒されないとね。