STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
原作は未読。
縁あって親子関係になったゴーレムと人間の娘であるソマリの旅を描いたロードムービーもの。
人工物であるゴーレムが、ソマリとの旅を通じて次第に感情が生じていく。こういった展開は
ロボットものなどでよくあるものだが、親子のふれあい要素だけでなく、こういった部分も内包
しているところが面白い。
当初はソマリとゴーレムのほのぼのとした親子関係を描く作品かと思っていたら、二人を取り囲む
世界は人間にとっては過酷なもので、人間と異形との歴史も残酷で悲劇的なものであることが次第に
明らかになっていく。「ハクメイとミコチ」だと思っていたら「メイドインアビス」だった
みたいな。
この異形と人間の関係性は、現実の人種・宗教・思想の違いによる対立などの風刺要素も
ありそう。
そして、そんな環境だからこそ、ソマリが人間と知りながら態度が変わらないシズノやヤバシラを
始めとするキャラ達の優しさが染みる。
キャストに関しては水瀬 いのり氏がソマリの可愛らしさ健気さを見事に表現。
元宝塚スターの七海 ひろきがシズノを演じていたがこれがなかなかいい。同クールの他作品にも
出演しており、今後も本格的に声優に取り組んでいくようで頑張ってほしいところ。
そして、ローザおばさん役の柴田 理恵には上手さにはびっくりした。
背景美術に関して、同放映クールの「映像研には手を出すな!」と「ドロヘドロ」が凄かったので
影が薄くなってしまったが、本作もなかなか良い仕事をしていると思う。
2020/04/09