STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
原作は未読。
他のレビューでも書いているが、異世界転送ものなどのように定番化された設定や世界観の
作品もその中で個別化を図っていく定型詩のような魅力があるが、やはり他にはない
オリジナリティのある作品に惹かれる。
で極めつけの個性的作品が登場したという感じで、「よくもまあ、こんな話を考えついたなあ」と
いう感が。
個性的と言えば、本作では魔法使いという存在が大きなファクターとなっているが、ここで
描かれる魔法使いは既存作品のそれとはまったく別モノ。
映像的にはバイオレンスで残虐な描写が多々で、1話の冒頭からして主役のカイマンが魔法使いの
松村を切り刻むというところ始まるという、まあこの作品のカラーを象徴しているような出だし。
ただ陰湿な感はほとんどなく、これはコメディテイスト、ポップ感のある絵、軽快な
テンポ感などが陰湿さを軽減しているように思えるが、加えて登場キャラ達の死生観や倫理観なども
軽減要素に繋がっているような感じ。この作品世界の面々は現代人のそれより、例えば
「ヴィンランド・サガ」などの世界のそれに近いような。
世界観や設定が個性的なら登場キャラも個性的で、主役のカイマンと相棒のニカイドウは
カッコ良さと可愛らしさと面白さが共存しているような印象。
これは敵対関係にある煙ファミリー、カスカベ博士やバウクス先生などのホールの人々、
「レストラン丹波」の魔法使い勢、更にはジョンソンやキクラゲなどの非人間キャラにも
言えそうな感じ。
多くのキャラがえげつないことをやっているのに、憎めない愛すべき面々といった感じ。
このキャラを支えるキャストの演技も秀逸。
ストーリーもおざなりになっておらず、カイマンの過去を巡るミステリー展開が先行きを
気になるものにしている。
凄いと思うのは、キャラ達がドタバタしているような展開は他作品だとストーリーの流れの中では
幕間的なものになることが多い中、ドタバタしつつもストーリーをちゃんと進めており、プロット
作りの上手さを感じる。
混沌さをうまく表現した背景美術が見事で、作品世界を表現しつつ、アート的センスの良さも
感じるし、劇伴、OP、EDを手掛けた(K)NoW_NAMEの音楽も作品世界を盛り上げるのに
一役買っている。
料理の描写もやけに旨そうで、特に餃子とミートパイは本当に食べたくなってしまった。
2020/04/08