「ドロヘドロ(TVアニメ動画)」

総合得点
78.2
感想・評価
360
棚に入れた
1584
ランキング
571
★★★★☆ 3.8 (360)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

極めつきのオリジナリティ

 原作は未読。
 他のレビューでも書いているが、多くの異世界転生・転移系作品のように定番化された設定や
世界観の作品もその中で個別化を図っていく定型詩のような魅力があるが、やはり他にはない
オリジナリティのある作品に惹かれる。
 で極めつけの個性的作品が登場したという感じで、「よくもまあ、こんな話を
考えついたなあ」という感が。
 個性的と言えば、本作では魔法使いという存在が大きなファクターとなっているが、ここで
描かれる魔法使いは既存作品のそれとはまったく別モノ。
 魔法使いが使う魔法は各自1種類のみのようで、他作品だと魔法より異能系に近いかも。

 映像的にはバイオレンスで残虐な描写が多々で、1話の冒頭からして主役のカイマンが
魔法使いの松村を切り刻むというところ始まるという、まあこの作品のカラーを象徴
しているような出だし。
 ただ陰湿な感はほとんどなく、これはコメディテイスト、ポップ感のある絵、軽快な
テンポ感などが陰湿さを軽減しているように思えるが、加えて登場キャラ達の死生観や
倫理観なども軽減要素に繋がっているような感じ。この作品世界の面々は現代人のそれより、
例えば「ヴィンランド・サガ」などの世界のそれに近いような。

 世界観や設定が個性的なら登場キャラも個性的で、主役のカイマンと相棒のニカイドウは
カッコ良さと可愛らしさと面白さが共存しているような印象。
 特にニカイドウに関しては女性らしい魅力がありつつも、どこか少年的な雰囲気も
あるところが面白い。
 このキャラの魅力は敵対関係にある煙ファミリー、カスカベ博士やバウクス先生などの
ホールの人々、「レストラン丹波」の魔法使い勢、更にはジョンソンやキクラゲなどの非人間
キャラにも言えそうな感じ。
 笑いどころとしては恵比寿が凄くいい味を出していた。
 多くのキャラがえげつないことをやっているのに、憎めない愛すべき面々といった感じ。
 このキャラを支えるキャストの演技も秀逸。

 カイマンとニカイドウの関係性だが、あくまで友達であり、恋愛感情はないようなことを
言っていたが、随所随所で「そうかなあ?」と思わせるところも。当人が気がついていない
だけかも。
 この辺は心と能井、藤田と恵比寿にも同じようなことが言えそう。

 ストーリーもおざなりになっておらず、カイマンの過去を巡るミステリー展開が先行きを
気になるものにしている。
 凄いと思うのは、キャラ達がドタバタしているような展開は他作品だとストーリーの流れの
中では幕間的なものになることが多い中、ドタバタしつつもストーリーをちゃんと進めており、
プロット作りの上手さを感じる。

 混沌さをうまく表現した背景美術が見事で、作品世界を表現しつつ、アート的センスの良さも
感じるし、劇伴、OP、EDを手掛けた(K)NoW_NAMEの音楽も作品世界を盛り上げるのに
一役買っている。
 特にEDに関しては適度に変更されるので、より楽しめた。
 料理の描写もやけに旨そうで、特に餃子とミートパイは本当に食べたくなってしまった。

2020/04/08
2024/11/10 加筆・修正

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 267
サンキュー:

7

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