タケ坊 さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ある意味日常系として観るべきかもしれない
☆物語&感想☆
久々の湯浅監督作品ということで2020年冬アニメの中では期待していた作品。
1話観た段階での掴みは上々、監督ならではの映像面での拘りも感じられた。
ただ、終わってみればそこそこ楽しめたものの、
最初の期待感ほどではなかったなという印象。
アニメ自体としてはとても良く出来ているとは思うのですが。
物語は超簡単に言うと、女子高生がアニメを作る話。
毎話のように挿入される作品内での妄想パートや作品内作品は、
アニメ化ならではの醍醐味であったと思うし、
一番力を入れていた所であるのは明らかだったものの、
自分としては若干ついて行けてなかったのが正直なところ。
その要因としては、本人たちの拘りがややオタク的過ぎるきらいがあり、
観ていてドラマ性やカタルシスを得る場面が少なかったので、
それほど引き込まれることがなかったのかもしれない。
「女子高生が」アニメ制作に奔走している、
という点での一風変わった青春という目新しさは感じるものの、
既にアニメ制作を題材にした「SHIROBAKO」のような作品と比べると、
笑えるユーモアや感動できるドラマ性が少なくある意味淡々としている。
それは制作に関わる人間をメインにドラマチックに描いた「SHIROBAKO」と違って、
アニメ制作の過程自体をメインにしているから当然かもしれない。
したがって、浅草氏の脳内にあるようなマニアックな拘りや妄想を掘り下げても、
あっそうなんや、で終わって盛り上がりには少々欠けてしまう。
そして、作品の中で疑問を感じたのが最終話。
彼女たちが作った作品は説明不足感が感じられ、
製作過程を知っているこちら側はある程度理解できても、
作品を購入した初見の人間が(水崎氏目当ての人間とか)
理解できるんだろうか、と感じた。
この辺りが本作品のやや一人よがり的な部分として象徴されているように思える。
アーティスティックな部分を追求するのは悪くないしむしろ個人的には好みだが。
☆声優☆
人気声優に頼らず癖のあるキャラクターに対して的確な配役がされていたと思う。
水崎氏に新人を持ってくるところなどに監督の拘りが伺える。
☆キャラ☆
いっその事三人共癖の強いキャラでも良かったと思う。
でも、そうなると売るための手段が無くなるから、
水崎氏のようなキャラを敢えて設定したんでしょうね。
ただ、自分としては水崎氏のようなカリスマ読者モデルが、
本来関わり合うはずがない、
癖の強い他二人に対してやや浮いてる感は感じました。
作品制作に関わる部分以外に、
三人のこれまでの背景も描かれていたのは良かったと思います。
☆作画☆
この作品での一番興味深かった部分。
妄想パート&作品内作品での作画に加えて、
精細で丁寧な背景とかなりハイレベル。
監督の力が存分に発揮されたところだと思います。
☆音楽☆
OPのインパクトと中毒性はかなりのもので、
OPアニメーションとの相性も抜群でお手本のような素晴らしいもの。
EDもアニメーションとの相性がよかった。
作中の音楽も耳に残るもので、こちらも高評価。