「虚構推理(TVアニメ動画)」

総合得点
75.6
感想・評価
580
棚に入れた
2367
ランキング
791
★★★★☆ 3.4 (580)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.3
キャラ
3.5

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえずの簡単な感想

 原作は未読。
 ミステリーではあるが、真相を追求するのではなく、特定の相手を納得させるための虚構作りと
いう点が面白い。
 昔、読んだ短編推理小説で、探偵役相当とその知人が新聞記事に掲載された殺人事件を
推理するもののその場の二人の納得だけで終わり、それが真相か否かは問わない作品があったが、
それに近しい感覚があった。
 「鋼人七瀬」編で納得させる相手はネット世界の不特定多数。こういった人達は他作品だと
その無責任さゆえに他者を不幸に陥れる悪意ある存在として描かれることが多いが、その無責任さが
鋼人七瀬という怪異を生み、逆に事件解決に繋がる点が面白いところ。
 ネット社会の特性を利用しつつ、更に七瀬 かりんが故人であることを知りながら、彼女を犯人に
仕立て上げるところなど、事件解決のために手段を選ばない主人公の岩永 琴子にある種の
えげつなさを感じさせるところが、琴子というキャラを興味深いものしている。

 「鋼人七瀬」編に関してはミステリーとしてはいわゆる多重解決ものの範疇に入るのだろうけど、
そういった作品が複数の探偵による推理合戦の様相を呈してくるの対して、琴子という一人の探偵が
複数の推理を提示してくるのがちょっと変わっている。
 これが前の推理を否定して上書きするのではなく、それまでの推理が最終的推理を納得いくものに
するための仕込みになっているところが面白い。
 そして、最終的解決法はパズルがきれいにピースにはまったような気持ち良さ。

 シリーズ構成的には第1話でキャラ紹介と世界観の説明、第2話で虚構推理という特殊な
推理構造を提示して、残りは全て「鋼人七瀬」編。
 この「鋼人七瀬」編だが、会話劇主体のためか後半はいささか冗長な感じがした。しかし、
じゃあ「切り詰めてサクサク進めればいいか?」と言うと、七瀬 かりん周辺や琴子の推理に
関してのネットユーザーとのやり取りなどは「もっと描写に時間を費やしてもいいかな」と思う。
 おそらく単なる尺の問題ではなくて、メリハリの問題なのかな。

 キャラに関しては主役の琴子が際立つ。可愛らしさ、一途な健気さ、事件解決のための意志の
強さを持ちつつ、前述のえげつなさ、品の無さなど清濁併せ持ったところが魅力的。こういった
彼女の多面的な要素を鬼頭 明里氏がうまいこと表現していたと思う。
 パートナーの桜川 九郎は個としてのキャラはちょっと弱い印象があったが、ツンデレな感もある
琴子との関係性、やり取りなどがいい感じ。
 二人と行動を共にした弓原 紗季もいい味を出していたし、敵役に当たる桜川 六花もなんか
憎めない感がある。

2020/04/05

投稿 : 2020/04/05
閲覧 : 269
サンキュー:

10

虚構推理のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
虚構推理のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

STONEが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ