RFC さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いのちのきらめき
変なタイトルが気になったのと、クトリのキャラデザが好みで視聴開始。
【作品概要】
この世界では人間は「獣」という存在に滅ぼされています。
わずかに残った獣人系の他種族は地上から切り離した浮遊島で
細々と暮らしていました。
浮遊島まで襲撃してくる獣には聖剣(ダグウェポン)と呼ばれる
旧世界の兵器しか通用しません。
また、それを使えるのは妖精兵(レプラカン)と呼ばれる少女たちのみ。
妖精兵は使い捨ての駒のように「獣」からの防衛に費やされていきます。
そんな中世界でたった一人生き残った人間族のヴィレム。
軍属の彼が兵器扱いのレプラカンの管理係に就任するところから
物語は始まります。
【作品に対する感想】
2000年頃の王道ファンタジーって感じですね。
変に奇をてらってなくて安心してのめりこめます。
兵器として育てられ、獣人たちを守って死ぬことを約束されている
レプラカン達には複雑な気持ちにさせられます。
作品を通じて感じられるのは、皆それぞれの立場で必死に生きていること。
そして幸せの形は人それぞれ。
1クールと短い作品でしたが、胸を打つものは確かにあります。
何かを守るために自己犠牲をもいとわないといった作品が好きな方には
おすすめです。
1)物語
物語の設定上、最後は悲劇になるのは確定してるんですけど、
それまでに何をするのか、何を残すのか…
そんな物語です。
でも悲壮感があまりないんですよ。
それはきっとみんな一生懸命生きてるから。
大切な誰かのために、次の世代のために。
過去からの世界背景はぼんやり語られる程度にとどまり、
500年前のことがOVAとかで語られないかなと期待してます。
欲を言えば、設定や世界観、ヴィレムの過去やサブキャラの
深堀などにもっと時間を割いて2クールあってもよかったかなと思います。
さらに欲を言えば{netabare}もっと二人のいちゃラブが見てたかったですね。{/netabare}
2)作画
温和な日常パートと血みどろ死屍累々の戦闘パートが
両極端です。
あとキャラデザはいい意味で古めかなと思いました。
3)声優
千葉繫さん(グリック)の衰えなき演技が聞けて
ちょっとうれしくなりました。
4)音楽
OP「DEAREST DROP」のインパクトが強かったです。
「どうしたらあなたに愛を刻めるんだろう」
伝えるとか生易しいものではありません。
作品世界観に通づるものがあります。
5)キャラ
好みの女子キャラ
クトリ=ラーントルク=ナイグラート=アイセア>ネフレン
➀ヴィレム・クレシュ(18)
めちゃくちゃ努力家で才にも恵まれていますが、
その果てに何も守れずすべてを失った反動で
最初世捨て人になってます。
ラノベ型超鈍感ヤローではなくちゃんと常人の
振る舞いをしていたのが好感度UP。
➁クトリ(15)
最初死をも受け入れて淡々としていましたが、
徐々に表情がくるくる変わる魅力的な子になっていきました。
ストレートな感情表現はそれだけで心を揺さぶられます。
この娘はきっと幸せなんだと思います。
➂ナイグラート(21)
食人鬼でありながら、ヴィレム達を見守る娘。
大人な対応がちゃんとできる娘で好感度高いです。
➃アイセア(14)
元気なケモナーでありつつ、ちょっとその裏に秘めた想いに
やられました。
➄ラーントルク(14)
淡々とした娘ですが、一旦懐くと一流のツンデレになりそうです。
この娘の言う幸福論、すごく納得てきます。
➅グリック(15)
おっさんかと思ったら15?
まあ、人間換算したらいくつか分かりませんが。
こういう人間味あふれた奴って好きですね。
6)好きなシーン
{netabare}
➀あきらめと覚悟は本質的に同じ
あきらめは消極的、覚悟は積極的という区分けをしているのですが、
言われてみると「目的のため大切なものを切り捨てる」というのは
同じですね。これでこのおっさん好きになりました。
➁記憶浸食
ホラーすぎます。
眠たそうな子供の声が余計にやばいです。
➂世界で一番幸せな女の子
笑顔で死地に向かうクトリ。
死ぬとわかっていて幸せと言い張るクトリ。
こんなん反則です。泣くなと言われても無理です。
ヴィレムはクトリを幸せにできました。
でも彼の本当の望みはまた叶わなかったんでしょう。
今後彼はどうなるのか…死んではないんですよね?
➃ラーントルクの幸福論
幸せなんてものは本人にしか見えないし、分からないものですよ。
人の幸せを決めつけたり、否定したりは、
ただのワガママにしかなりません。
それでもきっと、誰かを幸せにするのは、往々にして、
そういうワガママを最後まで押し通した人たちなんでしょう。
{/netabare}