「映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)」

総合得点
80.2
感想・評価
596
棚に入れた
2254
ランキング
468
★★★★☆ 3.8 (596)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

インディビジュアリティーへの面白さ

大人は、たくさんのペルソナを持っています。
仮面を付け替えながら、やりくりして生きています。

例えば、オーディンのように。
あるいは、観音さまのように。

しかして、悪魔のようにも振る舞い
ときには、天使のようにも微笑みます。

エゴイズムに身を投げ出すときもあれば
ヒロイズムに奮い立つ気持ちだってあります。

これもペルソナのもつストレングスのおかげ、かな。


~ ~ ~ ~


アニメーションは "カラフルな闇鍋" です。
ずいぶんな "でっちあげ" ですけれど、それがいいのです。

いっときだけ虚構のフタが開放され、温かい湯気にこころがほぐされるのです。

リアリズムは、いつだって灰色の檻に閉じ込めようと画策しています。
だから、ファンタジーは、"青の色" を胸の奥に注いでくれるニュートリションです。

嘘っぱちだとか、とんでも設定だとか、わかっています。
日常の小さなカケラや、特異で醜いドラマも、ありです。
メインのキャラでも、サブでも、モブでも、いいんです。

うんと共感し、同情できれば、たっぷりとシンパシーを感じます。

いつか受容し、理解できれば、ゆっくりとエンパシーが生まれます。


放映直後のトップノート、周回遅れのミドルノート、お気に入りのラストノート。

香りの余韻は変わっていきます。

この味わい深さが大好きです。


~ ~ ~ ~


浅草氏、金森氏、水崎氏が、挙って物語を掻きまわしています。
はっちゃけたキャラたちも、負けじと物語を掻きまわしています。

うん? "描きまわす" かな?


まだペルソナをもたない3人の若さは、眩しいほどにストレートです。
アイデンティティーの粗さだって、大人とそんなに変わらないものです。

彼女たちのアイデンティティーの後ろ側に控えているモノ。
それが、インディビジュアリティーです。

アニメーションが創造するモノは "生きることの可能性" 。
ですから、本作のコアをそう呼んでみたいと思いました。

individuality.

アニメーションの未来が、楽しみで仕方がありません。

若きクリエイターの皆さん。

インディビジュアリティーには "手を出して" くださいね。

これからも期待しています、ね。

投稿 : 2021/04/16
閲覧 : 297
サンキュー:

20

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