「プラネテス - ΠΛΑΝΗΤΕΣ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.7
感想・評価
3120
棚に入れた
15594
ランキング
50
★★★★☆ 4.0 (3120)
物語
4.3
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ryu さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

”愛”あればこそ

 2075年、人類は資源を宇宙に求め、宇宙開発が盛んにおこなわれる時代。人類は宇宙で新たな資源を手に入れたが、それによる弊害もあった。宇宙開発中にでるごみ、「デブリ」の存在。新たな資源を先進国が独占し、さらに広がる国家間格差。このアニメは近未来の話でこそあれ、今地球上で起こっている問題を描いている、そんな作品でした。

 舞台は宇宙開発を行う会社のひとつ、テクノーラ社のお荷物、「デブリ課」。天体にまき散らされたデブリを回収するという地味な課に新人の田名辺愛が入社してくるところから物語が始まります。この子はとにかく純粋で熱意にあふれていて「なにもなくても”愛”があればなんとかなります!」とか恥ずかしい事をさらっと言っちゃう、そんな魅力的な子です。このタナベとデブリ課のメンバーであるハチマキ、フィー、ユリ、課長、ラビィ、エーデル達は、宇宙開発の産物、デブリを回収する中で、様々な「現実」を目の当たりにします。その現実は紛争問題であったり、新たな資源の先進国占有によるさらなる格差の拡大だったり、人間の汚い、黒い部分だったりします。
 そういった現実を目の当たりにしたとき、自分は、いえ、おそらくこれからこのアニメを見る人も、もう見た人も、原作者さんも、アニメを制作した方々も、タナベでさえも、「”愛”だけじゃ、誰も救えないし救われないのかもしれない、そんな綺麗事だけじゃ、どうにもならないことだってあるのかもしれない」…そういう気持ちが頭をよぎる瞬間が必ずあると思います。あったと思います。常にそう思った人もいるかもしれません。


 正直全部見終わった後とても考えました、悩みました。アニメでこんなに考えたのは初めてかもしれません。

 …でも最終的に思ったのは、やっぱりタナベがいっていたように”愛”こそが世界を救うんじゃあないだろうか、そういう結論です。単純でバカだから、こんな答えしか出せなかった。

 結論なんか、出ないのかもしれませんね。…でもただひとつ確実にわかっていることは、「この作品と出逢えて本当に良かった」ということ。上で書いたように、見た後ほんと悩んだし考えたけど、そういう時間もとても有意義で愛おしいものでした。

 なんか難しいことを書いてしまった気がしますが、このアニメはそれだけでなく、心温まる人間模様も描かれていて、本当に何気ないことなのに胸がキュッとなって不覚にも涙があふれてきてしまったりします。笑って、考えて、涙して、悩んで、でも最後には本当に心があったかくなる。本当に、いい作品です。
 まだ見ていない人はぜひ見ることをお勧めします。

投稿 : 2012/03/16
閲覧 : 584
サンキュー:

12

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