takato さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
空気を読めと言われそうだが。感動>笑いな構造はどうかなぁ…。
諸君、私は久米田作品が好きだ。
親子愛もベタな泣ける話も好きだ。
しかし、本作には完全には乗り切れなかったと言いたい。
そもそも、久米田作品と感動路線って相性があまり良いとは言いがたい。
シャフトがアニメ化した代表作である「絶望先生」、「かってに改蔵」いずれも感動路線とは水と油な、距離をとったメタでブラックな大笑いとも涙とも無縁な作風だった。
本作の感動要素は悪くないが、正直無理に良い話にしようとしてしまっている人工さを感じてしまった、特に終盤。いくら良い話でも納得させる流れがないと呑み込みづらい。
あと、その要素を入れるため+1クールしかないから久米田さんの本来の持ち味のギャグもキャラの深堀りも物足りなくってしまったかな。漫画家漫画なら「吼えろペン」とかの方がずっと攻めたネタをやってたし。
アメリカ映画が顕著だが、やたら家族愛を押し出されるのは正直勘弁…って感じである。「リメンバー・ミー」とか悪い映画ではないが、これはどうなんだ…って飲み込みづらさがあった。
色々PC的に問題があったりする世の中だから万人が同意できるような価値観は家族愛しかないのかもだが。どんな価値観でも自然にすっと心に染み透る上手さと、充分なセットアップがなければならない。
おジャ魔女どれみのあいちゃんがお母さんと再会するシチュエーションなんて、何万回描かれたんだって展開だけど、画面と同じく涙でお母さんが歪んで見えなくなってしまう。
別に奇抜な事をしなくても、しっかり基本が出来ていれば号泣させるには充分なのだ。