シャベール大佐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
地下アイドルとオタクの日常を、優しい目線で描くコメディ作品
岡山県を舞台に、女性7人組の地下アイドルグループ「ChamJam」と、それを応援するアイドルオタクたちの日常を描く、コメディ作品。全12話。
ChamJamのメンバー・市井舞菜を熱烈に応援する女性オタク・えりぴよが主人公。えりぴよは、バイトで稼いだお金をすべて舞菜のためにつぎ込むような生活をしており、その溢れる情熱や極端な行動が笑いを誘います。ファンとの距離が近い地下アイドルというジャンルは、現実においては必ずしも夢のある世界というわけではないようで、過去には物騒な事件が起きたりもしていますが、この作品に登場するのはオタク側もアイドル側も善人ばかり。滑稽でありながら優しい物語になっているので、安心して楽しめました。また、えりぴよと舞菜の関係は、えりぴよだけが一方的に好意を抱いているわけではなく、実は舞菜の側でも自分を応援してくれるえりぴよを意識しており、いつか互いの気持ちが通じ合うのか、といったあたりも見どころになっています。そういった百合的な心の結びつきは、ChamJamのメンバー間においても描かれており、そちら方面の需要にも十分に応えてくれる作風でした。
作画は非常に綺麗。キャラはかわいく描けていますし、手描きのライブシーンの出来も良かったです。また、現実とはちょっと違うカラフルな色で描かれた風景も本当に素敵でした。キャラは主人公のえりぴよが面白いだけでなく、脇役においても、オタク側ではくまさ、アイドル側では空音、文(あや)など、良いキャラが多かったです。声は主役のファイルーズあいが好演。音楽も全体的に悪くなかったと思います。
最後まで観終わって、馬鹿馬鹿しくて笑えるけれど、人を傷つけない優しいストーリーになっていて、とても面白かったです。個人的には、20年冬アニメの中でも、いちばん好きな作品でした。