STONE さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
3人の関係性に大きな変化が
原作は途中まで既読。偶然だが、ちょうど本作の終わりぐらいまで読了。
3期ということだが、開始もこれまでの経緯を流すようなこともなく、2期の終わりからの
続きを普通に描き、終了も本作で起きた未解決事象はそのままで、良くも悪くも長尺作品の一部を
ストレートに切り取った感じ。
キャラクタードラマとしては主軸となるのが綾瀬 千早、真島 太一、綿谷 新だが、新と太一が
千早に告白したことで、その関係性に大きな変化が。
千早自身の心は新に向いているようだが、それが恋愛感情なのか?、かるたの競技者としての
リスペクト的なものなのか、本人も分かっていないような感じ。
この流れで千早、太一がかるた部を退部してしまう展開で終わってしまったが、先が
どうなるか、。かなり気になるところ。
本作はこれまで以上に恋愛要素が強い感があり、千早、太一、新の三角関係以外にも、太一に
恋する花野 菫の失恋も描かれたり。
一方の新の方も幼馴染みの芦野 由宇は新に対して思うところがありそう。もっとも由宇の
弁当が新に災いとなったりとギャグ要員と化しているが。
競技かるたとしては名人・クイーン戦、及びその予選がメインといった感じ。
名人戦に関しては名人である周防 久志が実力を見せつつ、弱さや親しみやすさなどこれまで
あまり見られなかった人間らしさが顔を出していたのが印象的。
その周防に挑むのが原田 秀雄。これまで千早、太一の指導者キャラといった位置付け
だったが、本作では名人戦を含め、彼をクローズアップすることが多かったような。年を
取っても挑み続けるその姿勢は心打たれるものがある。
一方のクイーン戦はこれまで鉄壁な印象のあった若宮 詩暢が精神的に崩れるといった弱さを
見せたのが印象深く、そこから千早との関係性もあって立ち直っていく展開も見どころの一つ。
相対する猪熊 遥だが、結婚して子供がいながらクイーンに挑むという、これまた魅力的な
キャラ登場といった感じ。
子育てをしながら選手でもあるというのはハンディではあるのだが、子供の存在が精神的
強さにも繋がっているようで、「母は強し」といった感も。
原田、猪熊のいずれもベテランのしぶとさと言うか、老獪さを感じさせるが、それを上回る
周防名人、若宮クイーンの強さを改めて感じさせる。
名人・クイーン戦、及びその予選のいずれも見応えのあるものだったが、主役である千早が
不在というのはどこか物足りなさがあったことも否めない。
もっともクイーン戦の予選にこそ出なかったが、シリアスコメディ問わず、色々なところで
お馬鹿ぶりを発揮することで存在感を放っていたが。
今回は名人・クイーンのいずれもベテラン挑戦者となったが、千早や新も挑戦者になれるような
レベルになってきたようで、1期からすると成長を感じて感慨深いものがある。
一方、太一だが、以前に較べて、新との実力差は縮まってきたみたい。ただ、それだけにより
新を超えられない何かが感じられる。
2期から6年経っており、やはり声の変化が感じられる人はいる。
そして、原田役の石塚 運昇、宮内 妙子役の藤田 淑子がお亡くなりになったことでキャスト
変更。
致し方無いことではあるがやはり寂しいもの。
2020/03/30
2024/09/20 加筆・修正