oneandonly さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
序盤から良作とわかる夢追い作品
世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:6
情感:6
合計:33
<あらすじ>
身長158cmの藤戸千雪の夢は、パリコレモデル。
モデルとして致命的な低身長を理由に、周囲は「諦めろ」と言うが、それでも折れない。
そんなとき、家族を養うためにファッションデザイナーの夢を諦めようとする都村育人に出会う。
――これは一途に夢を追って走り続ける、2人の物語。
(公式サイトより)
今期の良作を探そうかなと、話題になっている作品の1話を少し開拓していたところ、1話にしてストーリーがしっかりしていると感じたので視聴継続しました。
158cmでパリコレモデルを目指す千雪と、デザイナーの才能がありながら貧乏で専門学校に通うことも諦めようとしていた育人が、お互いに刺激し合いながら夢に向かって輝かしく歩みを進めていく、特に3話までの展開は大いに楽しめました。
{netabare}1話の千雪の父親の目についての千雪のモノローグ。ここで育人の道が一気に開けたかと思わせつつ2話冒頭で落とし、代わりに紹介された柳田氏からも出ていけと言われながらも、育人が千雪の言葉に背中を押され、柳田さんに食い下がるシーン。2話から3話にかけての絶体絶命な状況から、禁止だれているランウェイでの笑いが成功に繋がるストーリー、とても良かったです。
一方で、その後のストーリー展開は、所々ちょい感動ポイントはあるのですが、芸華祭などではどんどん育人が天才なだけではないか? と思ってしまうシーンが増えたり(そうでないと話が進まないのでしょうが)、当方のリアリティ面での選評眼に引っかかるところが増えてしまいました。この点で、最終話で育人の順位を10位に入れないところにまで落としたのはバランスを考えて巧みだと思いました。
また、自分はブランド品の服は値段の価値を見出せないことが多いので、本作に登場した衣装もこれは! と思うセンスを感じるものがあまりなく、この世界のことはわからないままに終わってしまった気もします。
千雪の話に対しては、別にパリコレを目指す必要ないのではないか? と思いました。作中では、高身長のモデルが当然されていますが、一般人はそんなに背が高くないので、むしろ低身長のモデルにも需要はあると思うのですよね。パリコレは高身長の人が多いヨーロッパなので、高身長を求められる理はあるのですが、それならばなぜパリコレにこだわる必要があるのか、そこの説明が欲しかったかなと思います。写真集を売るのではなく、服を売るのが目的であれば、結局は服を着る人あってでしょうし、低身長モデルがNGな世界であれば、顧客のほうを向いていないですね。
という感じで、ちょっと辛口を挟みつつも、{/netabare}序盤は今期の覇権かなと思わせる出来で、その後のストーリーは若干中だるみしたものの、最終話で持ち直しており、視聴をおすすめできる作品です。
<2022.8追記>
こちらも情感の評価を他作品との平仄から6点に下げました。
(参考評価:3話4.3→6話4.1→7話4.2→10話4.0→12話4.1→調整4.0)
(視聴2020.1~3)