木ヨン さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エンドレスエイ党 〜終わらない自民党のような夏休みに対するトラウマ
第2期にて追加されたのは以下のストーリーでした。
・「笹の葉ラプソディ」(第8話)
・「エンドレスエイト」Ⅰ〜Ⅷ(第12話〜第19話)
・「涼宮ハルヒの溜息」Ⅰ〜Ⅴ(第20話〜第24話)
{netabare}期待のアニメシリーズ第2期で、ほぼ同一の内容を8週連続で放送するという前代未聞のエンドレスエイトは批判の的となりました。ここで私は第1期のレビューと同様の視点から、エンドレスエイトに新たな解釈を加えたいと思います。
新アニメ版ハルヒ(2009年4月〜 10月)放送時といえば、世の中は政権交代が叫ばれていた時期でした。具体的には麻生政権(2008年9月〜 2009年9月)から鳩山政権(2009年9月〜 2010年6月)へ、50年以上続いた自民党政権から民主党政権へと日本の政治が大きく変わった時期です。
それまでの政治がどうだったかと言えば、小泉首相が退陣してからというもの、阿部→福田→麻生と、1年毎にコロコロと首相が変わる体たらくなのでした。本作で批判の対象となったエンドレスエイトと末期の自民党政権は似ています。つまりは、どちらも「何回やり直そうが、本質的には変わらないがゆえに、何も変わってくれない世界」なのです。
こじつけのようでいて大変恐縮ではありますが、アニメというジャンルに限らず創作作品というものは常にその時々の時代性を少なからず反映したものであるし、そうだからこそ受容する側の私たちは何かを得て再び現実へと帰っていくのです。
エンドレスエイトは最後に「与えられた課題を終わらせる」ことでようやく終わらない夏休みから脱出することができます。問題を先送りしていては次のステージに進めない。それはアニメに限らず、政治の世界でも私たちの日常でも同じことが言えるのではないでしょうか。{/netabare}
それを知った私は、もう二度とエンドレスエイトを見ることはないでしょう。