かがみ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
CLANNADは人生
本作の原作ゲームは「Kanon」「AIR」に続くKeyの3作目として、2004年に全年齢対象版として発売された。本作は、かつてアダルトゲームの「売り」であったはずの性的描写を完全に排除した形で世に問われたにも関わらず、前2作に劣らない高い評価を獲得し「CLANNADは人生」という名言も生み出した。
夢に挫折し現実から逃げ回っていた主人公がヒロインの母性的承認のもとで再び人生に向き合っていくという本作の構図は、ゼロ年代初頭に一世を風靡したセカイ系的想像力をある部分では色濃く引き継いでいる。もっとも、多くのセカイ系作品が「無力な少年」の位置に留まり「自己反省」する事に終始していたのに対して、本作の特徴は、そこからさらに一歩進み「無力な少年」が、その位置を脱して曲がりなりに「父」の位置を引き受ける所までを描き切った点にあると言える。「CLANNADは人生」と言われる所以はおそらくこの点にあると思われる。