ゲリオ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
マジにもっと評価されるべきでは?
アイドルを追っかけるオタクをテーマにしたコメディ作品。
ドルオタあるあるネタから、さすがにそれはないだろうという突飛なギャグまで、全12話変わらぬクオリティで楽しませていただいた。
秀逸なギャグネタだけでなく、アイドル側視点からのマジメな話や、ちょっとした百合まで見所盛沢山で、アイドルアニメ好きは勿論それ以外の人にもお勧めしたい文句なしの良作である。
本作品の主人公、えりぴよは熱狂的な舞菜推し。
舞菜はグループで最も不人気で握手会ではいつも誰にも並んでもらえない少し可哀想な子。
実質えりぴよが一人で支えてるようなものなのに、なぜか舞菜からはいつも塩対応される不思議。…も、内心ではえりぴよのことが大好きという両想いが1話ラストで判明。大人しい性格の舞菜は好きな人を前にすると緊張して気持ちが伝えられないとのことで。
いや~、このすれ違いガールズラブ、、、尊すぎる!w
基本的にドルオタのあるあるネタが散りばめつつコメディが展開される作風なのだが、えりぴよが見た目普通に美人な若い女性というのはやや非現実的だろうか。
主人公がキモオタ男だったらそれはそれで作品として成り立たないので仕方がないが。
えりぴよが美人という言及は作中全くないので美化してる可能性もあるね。
いずれにせよ、ドルオタのオッサンたちと自然に交友する女子というのは、違和感ありながらもなかなか新鮮で面白いキャラクターだった。
太っちょのオッサンでマナーを守る典型的なドルオタのくまささん、推しとの恋愛を真剣に夢見る"ガチ恋勢"基くんなど、サブキャラたちも良い味出していた。(個別に論すると長くなるので割愛w)
また、本作はファン視点からのストーリーと、ChamJam(以下チャム)側視点からのストーリーが交互に楽しめるのが面白い。
えりぴよ視点からすれば舞菜以外のメンバーはモブみたいな扱いだけど、チャム側からのストーリーだとメンバー一人ひとりがきちんとキャラ立ちしてたね。
人気投票というアイドルの実情が描写される回もあったが、自分で自分に投票するためにCDを買うというのは悲しすぎる。これが地下アイドルの現実かぁ…
ただ、チャムのメンバーは性格が良い子ばかりだったのでそこまでギスギスした展開にはならず仲良しなままでいられたのが幸いで、リアルなアイドル風景を描きつつシリアスにさせすぎないシナリオが非常にバランスがとれていたと感じた。
えりぴよを演じた声優は昨年の最優秀新人候補、ファイルーズあいさん。
"ダンベル何キロ持てる?"以来の主演だったが今作も見事な演技力で作品を際立たせた。
エンディングの「♡桃色片想い♡」は18年前の名曲のカバーで、個人的に世代なのでグッときた。歌が苦手と言ってたけどファイさんの歌声、好きです。
その他声優は、チャムの事務所スタッフの握手会のはがし役(?)の人が中村悠一氏と無駄に実力派を起用してたのが面白かった。「ありがと~ございました~」「またどうぞ~」しか台詞ないのに、毎度やけに耳に残ったね。
そんなわけでこのアニメ、地味ながら今期で最も視聴が楽しみな作品のひとつだった。
絶対にもっと話題になってしかるべきだと思ったんだけど、イマイチ地味だったのはTBS枠だったのとネット配信がFODプレミアム独占だったのが原因だろうか。
ほんと、もっと多くの人に見てもらいたいハートフルとコメディが両立する良い作品だったと思う。
今さらでも良いから、とりあえずAmazonプライムで配信してくれるのを願っている。
無論、アニメで続編を制作してくれることも・・・・厳しいかもだが。