「憑物語(TVアニメ動画)」

総合得点
81.0
感想・評価
1567
棚に入れた
10564
ランキング
427
★★★★☆ 4.0 (1567)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.1
音楽
3.8
キャラ
4.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

余接ドールをゲットするために

手折正弦(ておりたづる)が持つ余接ドールに対する執着は相当なものである。
推測の域は出ないのであるが、相当な金額をつぎ込んでいるようだ。
それが証拠に、北白蛇神社の賽銭箱が空っぽになっているではないか。
それでもなお、ゲット出来なかった悔しさと虚しさ。
同じような経験がトラウマとなっている者としては、同情を禁じ得ない。
ただし、その後、ファイアーシスターズが、僅か3枚のコインでゲットしたことを知らずに済んだことは救いであった。

さて、ここからが本題である。
{netabare}手折正弦が抱いていた、自身のキャスティングに対する違和感こそが、この物語シリーズ全体の謎を解くキーワードではないだろうか。
臥煙伊豆湖を中心とした大学のサークル仲間の確執、その結界石として存在する憑喪神で式神童女の斧乃木余接。
手折正弦は忍野メメを探せと言う。
“メメ”はキャスティングの外に在り、バランスよく物語に関与できると言うのだ。
しかし、この世界が、マトリョーシカのように、入れ子になった物語であるとするなら、そのコンダクターも、アドリブが許されない存在として役割を演じることになる。
また、阿良々木暦の仲間たちと臥煙伊豆湖のグループの関係性は、ちょうどその頃完結した“ハリーポッターシリーズ”の親子同志のそれと似たものを感じる。いわゆる「親の因果が子に報う」と言うあアレだ。
北白蛇神社のシンボルである“輪廻の蛇”が象徴するところのアレである。{/netabare}

ただ、作者に聞いてみなければ解らないが、日本のサブカルチャーの幹となる世界観(セカイ系)に多大な影響を与えたフィリップ・K・ディックの『ユービック』と同じ香りがしてきたことも確かである。
これは、非常に面白いSFではあるが、そのイメージを映像化するのは非常に困難と言われており、未だ映画化には至っていない。
まあ、これはどちらでも良いことだが…。

シーズンⅡで感じた疑問を解く糸口を与えてくれた“憑物語”。
終物語ではどんな展開が待っているのだろうか。
非常に楽しみだ。

投稿 : 2020/03/27
閲覧 : 291
サンキュー:

13

憑物語のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
憑物語のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

ウェスタンガールが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ