「球詠(TVアニメ動画)」

総合得点
68.1
感想・評価
253
棚に入れた
673
ランキング
2238
★★★★☆ 3.2 (253)
物語
3.5
作画
2.6
声優
3.3
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 3.0 作画 : 1.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ちょっともったいない女子野球アニメ。

詳細は公式でも。

まあ、簡単に言えば「ハチナイ」きららバージョンといった設定ですね。

中学時代、エースだった詠深でしたが、大きな変化球をキャッチャーが捕れないからという理由で封印。1回戦負けだった過去を持つ詠深でしたが、新越谷高校に入学し、幼なじみの珠姫と再会。封印していた変化球を全部キャッチしてくれた珠姫を見て、また野球がやりたいと泣く詠深なのでした。

いわゆる「ドロップ」という変化球です。
大きく曲がり落ちるカーブで、確かにそんな球が投げられるなら活躍できそうですね。ただ、中学時代から変化球を多投すると、骨が固まっていないから、大人になったら肘が曲がらなくなるから気をつけましょうね。

ハチナイは、まあ酷い出来でしたが、こちらは初回を観る限り、悪くない印象。あだち野球マンガに通ずるモノがあるような気がしました。ピッチングの描写も悪くないです(うまくごまかしているという意味で。あだちアニメも、意外とそんな感じなのでw)。

ハチナイアニメが失敗した理由として、欲張ってナイン全部のキャラ立ちを狙った点が挙げられます。たとえば『ドカベン』を考えてみてください。捕手・山田太郎、投手・里中智、サード・岩鬼正美、セカンド・殿馬一人……他に思い浮かびます? せいぜい土井垣と微笑三太郎ぐらいでしょ。『タッチ』だって上杉達也、松平孝太郎ぐらいですよ、チーム内でのメインキャラは。

ですから、この『球詠』も初回に出てきた4人と、グランド外から見ていた2人程度に抑えておくことができれば、面白い野球アニメになると思います。あとはモブでいいんです、モブで。

制作はStudio A-CATという、『超可動ガール1/6』という例の一山いくらの「ふたばにめ」の1つを制作した会社ですね。あの3作の中では、いちおう一番人気はあったみたいですが。

この感じをキープできるなら、ちょっと楽しみです。しばらく様子見しますね。

=====第2話視聴後、追記です。
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いよいよ野球部として活動を始める4人。でも、新越谷高校野球部は、去年、暴力事件を起こし停部状態でした。ただ、廃部にしないために、籍を置いている2年生が2人いるとのことです。

そんな折、経験者の新入生2人(稜と菫)が入部してきます。楽しく練習をしていますが、なかなか2年生が来ません。

そんな時、グランドを見ている上級生2人を見つけた詠深は声をかけます。怜と理沙は、部が存続しそうだから辞めるとのこと。詠深は、なら私の球を打ってみてくださいとお願いします。応じた怜は、詠深のドロップを捉えて、外野に大きな飛球が……。
{/netabare}
というお話です。

えっと、まず言わなければならないことがあります。
顧問の杏夏先生。ダメですよ、ハイヒールでグランドに入っては。

まあ、このぐらい展開を飛ばさないと、ね。1クールだろうから、まあ、ね。ちょっと、端折りすぎかなって気もしますけど。そして、初回から作画が一気に落ちましたね……。これでは先が思いやられますね。

とりあえず、野球が好きなので、まだ楽しめていますが、できるだけ丁寧に作っていただきたいです。まだ期待していますよ。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
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やっとメンバーが揃ったレベルの急造チームが、なんとベスト8の柳大川越という強豪校と練習試合しますよと。

試合になったら、作画の酷さが浮き彫りになりましたねえ。しかも、所々3DCGを併用するのですが、それがまた酷い。相手のエースがそうで、まるでけもフレのような質のCGがキツいです。

演出もダメダメですねえ。
ただ試合をこなしている演出は、これハチナイと同じです。いや、逆転3ラン打たれるところをそんなにあっさりやります?

打たれても「ごめーん、打たれちゃった」とか、軽い感じのポワポワした詠深が、ピンチの時になぜか中学時代がフラッシュバックして、カーブが甘くなるという。

いや、それは当然の演出なんですけど、そこまでにそういう素振りをひとつも入れないもんだから、なんでいきなり動揺してんの?ってなっちゃう。

つーか、強豪校相手に初心者が2人もレギュラーの初試合が僅差って、どう考えてもおかしいと思う。大差負けするけど、詠深のカーブは通用しますよとか、そういう展開にできないもんかねえ……。

というわけで、非常に大きく後退しました。正直ボーダーラインまで下がった感じ。ちょっとキツいなあ……。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
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守谷欅台高校という学校との練習試合です。

初回、打者一巡の猛攻で6点を奪った新越谷。詠深は珠姫に決め球のドロップを封印するよう言われ、新たに覚えた2シームとカットボールで組み立てることに。

小刻みに3点を取られたものの、最終回には4番に座った希のタイムリーで追加点。7-3で初勝利を挙げました。
{/netabare}
というお話。

直前に「ダイヤのA」を観ていたせいか、本当に作画、演出のまずさが目に付きます。特に初回の希のファースト強襲ヒットのシーン。チャンスで打てないという悩みを、4番に起用することで克服するという流れなわけですが、その割に何の感慨もなく打っちゃうよと。しかも、明らかにグラブに収まった後に、なぜかグラブが飛んでいくというねw

てか、相手チームの選手たちが声ひとつ出さない。普通は打球が飛んだシフトに声掛けぐらいするよ。キャッチャーも「ツーアウト! しまって行こう」
とかね。そんなの一切ないから、なんかファミスタの試合を観ている感じ。

これはもう監督の問題(野球のじゃなく作品の)かなという気がしますよ。なんでしょう。リモート収録か何か? ガヤが足らないのも、なんか演出がパッとしない原因じゃないかと思いますよ。

作画も相変わらず。かと言って、日常パートが面白いとか、癒されるということもないです。どっちも酷い出来。こりゃもう、そろそろ視聴継続も限界ですわ……。次で判断します。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
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いよいよ夏の埼玉予選の組み合わせ抽選会です。

キャプテンの怜が引き当てたのは、一昨年の優勝校・Aシードの梁幽館と2戦目で当たるブロック。しかし、初戦で当たる影森の情報はないので、芳乃と息吹が偵察に。どうやら守備からリズムを作っていくチームのようです。エースはアンダースロー。息吹のコピー能力で、アンダースローのピッチャーを打つ練習をします。

そして芳乃は影森の試合時間が極端に短いことに気付き、攻略法を見出したようですが……。
{/netabare}
というお話です。

バッテリーでの心の声の掛け合い。「珠姫ちゃんって後悔とかしてないのかな。やっぱ強いチームでやりたくなったとかあるのかな」「とか考えてるんだろうなあ、あの態度」。こういう感じとか、背番号入りのユニを1人ずつ
呼んで手渡す描写とか、マネージャーにもユニフォームを渡すとか、まさにこりゃ「ダイヤのA」を参考にしましたかねw

抽選会で芳乃が、いろんなチームの選手をワイワイと紹介して奥行きを出している感じですが、CVがついていたのは梁幽館と、練習試合した柳大川越、そして偵察に行った影森だけで、あとはガヤ。つまり、2回戦の梁幽館戦までで今クールは終了と予想できますね。ま、この出来で2期があるとは考えにくいですが……。

アヴァンの怜の顔とか、影森のアンダースロー(それソフトボールだから)とか、相変わらず作画とか描写が酷いもんでしたが、こうした日常パートは
それなりに見られなくもないです。芳乃の作画だけ、やけに気合いが入っているのは作画監督の思い入れか何かでしょうか。

とにかく他の野球アニメを参考に演出してきたところは、ハチナイよりは頑張っていますかね。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
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前回の組み合わせ抽選から、なんの余韻もなく、いきなり夏大の開会式と初戦・影森戦という、ダッシュの展開ですよ。

影森の投手が、前回の黒い感じは全然なく、気になっていた試合時間の短さは、なんと知らない人たちと野球をやるのが好きじゃないから、さっさと試合を終わらせて学校に戻って、仲間と練習したいだけという。

そんなことで試合を早められるとも思えませんけどね……。
{/netabare}
というお話。

思わず爆笑しました。
顔がいっさい動かないで手足だけが動く入場行進。明らかにNHKの高校野球中継を参考に描いたのが丸わかりの角度。なのに、背景と合っていないため、ヘンな映像に……。

開会式前の他校の選手たちとの交流も、とにかく作画がひどい。いくらローカル局での放送としても、このレベルの映像を流していいのかと思うくらいにはひどいです。

そして、相変わらず試合では相手チームの選手はいっさい声を出さないファミスタ状態。ようやく相手の投手がモノローグで喋ったぁ!って感じではありますが。

たとえばさ、影森ナインが新越谷の先発の理沙を見て「エース温存かよ、なめやがって!」とか、そういう戦略の読み合い的な面白さを入れる工夫とかできませんでしたかね。

あ、エース温存のことですが、詠深が初戦の先発ではないことを告げられた際に「ヤダヤダ、投げたいよ」と駄々をこねる感じが「ダイヤのA」の沢村のよう。ピッチャーは投げたがりのわがままというベタな設定はやめたほうが……。

「ダイヤのA」も「おお振り」も主人公のピッチャーがわがままでウザいというのが欠点でもあるので、それを見習っても好結果にはならない気が……。

そもそもね、息吹が相手投手のフォームをコピーして投げるってのが意味不明です。だって、自軍の投手なら見慣れているから、逆に打ちやすくなるはずだもの。

という感じで、野球好きに向けて作られているとは到底思えない造りなんです……。
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
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いよいよ梁幽館との一戦がスタートです。

初回、立ち上がりの相手先発ピッチャーを攻めて1点を先行。一方、満を持して先発した詠深の球も梁幽館打線は捉えることができ、1点を取り返す展開。珠姫は全国レベルの打者に怖さを感じます。
{/netabare}
というお話です。

うん。
野球アニメは、こういう感じで良いんじゃないかと。
これまでの試合の変な感じが払拭され、まあ一応、従来の野球アニメの短縮線上には来た感じがしました。これまでは、そのレベルにない印象だったので。

スタンドからの声援やヤジ、相手チームの声、そしてバッテリーと打者との駆け引き。そういった要素が、それなりに入っています。相手4番・中田(翔かな?w)が敬遠で歩かされ、スタンドからブーイング。でも、1塁に歩いた
中田は「気にするな。私がピッチャーでも、そういう選択をした」みたいな声を掛けるとか、「おお振り」とか「ダイヤのA」みたいw

ただ、徐々にですが詠深が面倒くさいキャラになってきて、魅力が落ちてきているのが……。とにかく自尊心が強く、正捕手にベタベタと依存し、バッティング能力を過信している。そんなとこまで「ダイヤのA」の沢村栄純っぽくしなくてもいいんじゃないかなあ。

でもまあ、ここから最終回までの梁幽館戦は楽しめる感じがします。
{/netabare}
=====第11話視聴後、追記です。
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満塁の場面で登場した全国レベルの強打者・中田を、なんと芳乃は歩かせるという選択をします。

これで1-2とリードされた新越谷。ついに珠姫は、詠深の「強ストレート」を
使う決意をします。そして、相手1番打者を打ち取ることに成功します。

そして、2アウトランナーなし。ここまで勝負を避け続けてきた中田と、勝負をする新越谷バッテリー。しかし、決め球の強ストレートを強振され、打球は無情にもレフトスタンドに突き刺さりました。
{/netabare}
というお話。

絵は相変わらず微妙だし、3DCGの動きはギクシャクして試合シーンはひどいもんですが、話・演出は普通の野球アニメとそんなに変わらないです。打者心理や駆け引き、戦略など、まあ、ありきたりだけど(満塁で敬遠とか)“普通に”野球でした。

こういう丁寧な造り(話だけだけど)を序盤からしていれば、もっと評価されたんじゃないかなって気がしますけど。予算とか、予算とか、予算とかの関係でこうなったのかもしれませんが……。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
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中田にソロホームランを打たれ2点差。しかし、新越谷も意地を見せ、内野ゴロの間に1点を奪い、1点差で最終回。梁幽館の先発・吉川を攻め、走者1、2塁のチャンスに4番・希。

采配ミスを悔いて落ち込む芳乃に励まされ、新越野球部で頑張ってこれたという希が、代わった梁幽館エースの中田のストレートを長打狙いのフルスイング。打球はライトスタンドギリギリに入る逆転3ランでした。

そして梁幽館最後の攻撃。
簡単に2アウトを取った深詠は、前の打席で強ストレートをスタンドまで運ばれた中田との勝負を迎えます。はたして結果は……。
{/netabare}
という最終話です。

ラストだけあって、試合の攻防もよい演出で、3DCGも抑え目にして試合の駆け引きを上手に見せていました。いい展開、いい感じの最終話だったと思います。

まあ、時期が時期だけにやむを得なかったという側面はありますが、序盤からこのクオリティであればと悔やまれます。

選手のキャラデザは、モーションキャプチャーを採用し、モーションアクターとして女子プロ野球の埼玉アストライアの選手を起用したそうです。つまり、身体は人間の体型をキャプチャーしているわけで、頭が大きくなりがちなアニメでは少し違和感のあるスタイルになってしまった印象です。特に鍛えているアスリートをモデルにしたから、下半身が特にがっしりした感じ。そのへんが、アニメ慣れしている視聴者層には異様に映ったのかもしれませんね。

とはいえ、日常パートのキャラデザも、ちょいちょい崩れていましたし、あまりというか全然ほめられた作画とは言えませんでした。CMで流れる原作・マウンテンプクイチさんの絵のほうが遥かに好ましい印象です。

ただ、評価できる点もあります。
初回の感想にも書きましたが、「ハチナイ」では部員すべてをメインキャストにしようといろいろスポットを当てた結果、どれも深堀りできずに、かえってキャラが薄くなってしまいましたが、この作品ではメインはエースの深詠、サブヒロインの珠姫、ベンチの司令塔・芳乃、4番の希を主要なメインキャラに据えた点。とかく散漫になりがちな野球アニメのキャラをギュッと締めたのが好結果だったと思います。

声優は、富田美憂さんとか宮本侑芽さんといった若手実力派をキャスティングしてはいますが、メインキャラは新人? 女性声優が多かったようで、少し物足りない印象。ただ、芳乃のCV:白城なおさんは、発声こそ「どこから声出してんのよ」って感じでしたが、ご本人が野球好きで、中学時代はソフトボールを経験したそう(Wiki大先生より)なので、野球の戦略に関するセリフが自然だったのは、そういうところなんだろうなと思いました。

総じて、もったいないというのが感想です。
原作を知らないので、なんとも言えませんが、もう少しやり方があっただろうという感じ。何かこう、うーん……。大化けする要素はあったはずなんですが、何かいくつかの要素が決定的に足りなかったような気がします。もったいないな。
{/netabare}

投稿 : 2020/07/14
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サンキュー:

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