たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「彼女の思い出」
「童夢」や「AKIRA」などで世界的に有名な大友克洋が総監督するオムニバス式SFアニメ作品。
このなかでは一番「彼女の思い出」が感慨深い。。。
個人的に人の「死」は「二度」あると思っている。
一度目は「物理的」な死。
二度目は「精神的」な死である。
一度目の死は遅かれ早かれ、生きている人間は必ずいつか「死ぬ」。
しかし二度目の死は「回避」ができる。
それは、本や写真、映像などの「記録」されているものから、伝承や継承、思い出など「記憶」されていることによって、たとえ肉体が滅んでもその人は「生き」続けるのである。
人間にとって一番悲しいことは、人に「忘れ」られることであり、人々の「記録」や「記憶」から消去されることによって、人は絶望的な「死」にいたるのだろう。
この「MEMORIES」においては、「彼女の思い出」の中に内包された悲しい思い出も楽しい思い出も全てが等しく「MEMORIES(記憶)」であり、
忘れ去られてしまうことの悲しさや虚無感、孤独が人間にとって一番辛いことだと教えてくれている。