oneandonly さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメは物語ではない、アニメーションだ!
世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:7
キャラクター:7
情感:6
合計:33
<あらすじ>
高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。
スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、
1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。
そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。
さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、
3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……
(公式サイトより抜粋)
アニメ制作の話ということで、今後のアニメ視聴の参考になるかなと注目して録画視聴した経緯です。序盤は朝草氏の想像世界をアニメーションで現実と融合させた世界観を愉しむアニメという感じで、ストーリー的にはまあまあかなと思う程度でしたが、徐々に創作と現実の境界、その葛藤が描かれていくことで面白さが増していきました。
{netabare}まずは第4話。部費を得るための映像で、ストーリーなど無きに等しく、自分はストーリー重視派なので、これだけでは満足できるものではないのですが、「アニメは物語ではない、アニメーション(動きの表現)だ!」という原点を描いた上で、創作熱のある人間が限られた資源(時間、道具)で仕上げていくという過程が重なり、心に訴えるものがありました。掴みはOK。
水崎氏の細部をこだわる思い入れ(わかる人にわかってもらいたい、自分の存在を伝えたいという気持ち)に共感。浅草氏は1話から凄まじい想像力がアニメーションによって十分に描かれていたので、水崎氏のエピソードを入れて、彼女のクリエイター気質を描いたのは良かったと思います。
また、9話の金森氏回も良かったですね。本作の魅力は、この人がいることにあると言っても過言ではないように思います。想像力が豊かで、マシンや人物の動きを綺麗な絵で描けるクリエイターがいても、それなりの映像作品にするには個人の持つ時間や能力に限界があり、それを効果的に実現させるには現実的な視点を持つプロデューサーの力が必要です。作中で創られたどの映像も、この人なしには完成しなかったと思われます。費用対効果重視を徹底したコメントも納得のものでした。
主人公は3人の女子高生。まあ、今時の深夜アニメの鉄板という感じですが、この3人に萌えがない所も個人的には好感。水崎氏は読者モデルですが、女性的な魅力は出さずほとんど映像研の広告塔の役割とするための設定だけという感じでしたね。
中終盤の頃は今期の覇権と思っていたのですが、最終話で評価が急降下しました。
それまで彼女たちが創った作品は、心を揺さぶられるアニメーションで、見た人たちの反応にも共感できましたが、最後の作品は、全く面白いと思えませんでした。ストーリーを入れたものでしたが、台詞なしでは到底意味がわからず、むしろストーリーが邪魔になってしまったように感じました。我々はこれまでのエピソードでストーリーを多少説明されているのでそれを思い出しつつ見られますが(それでもわかるようになっていなかったのが厳しいけど)、これを予備知識なしで見て楽しめるのかには大いに疑問。
これは単純に私が見てきた傑作アニメと比較して言っているのではなく、本作を締めくくるアニメーションとして納得できる出来ではないという意味で、結果的にダンスシーンを改変することになった11話ラストのピンチも結局その改変で良くなったとは思えなかったことも含めて、最終話の評価を厳しくした理由です。{/netabare}
音楽はわかりやすさ重視でOPはインパクトこそありましたが、EDとともに購入に至らなかったですし、作画は所々で手抜きを感じてしまったのも不満でしたが、創り手側の話は自分の興味分野なのでそこそこ楽しめたように思います。
(参考評価:3話4.0→4話4.2→5話4.1→6話4.0→7話4.1→8話4.2→9話4.3→12話4.0)
(視聴2020.1~3)