tinzei さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「死神」の存在いる?
前作前々作とは変わって、今回は連邦軍側の話、全三話。
前作までは主人公がオリヴァーに固定され、各話にパイロットと試作兵器があったのに対し、今作は俯瞰で観る主人公がおらず、パイロット自身が主人公となる。ただ全話に語り手として「死神」が出てくる、この「死神」は作中の会話で出てくる概念的なモノでもあるが、語り手の「死神」は本物の死神であり三話に関しては実際にキャラに関わっていく。
物語上の設定として連邦とジオンの違いもあるが、それ以上に話のコンセプトも変わっている。
前々作では試作兵器とパイロットを基点に描いていたが、今作では兵器はオマケでメインはパイロットの心情、そういう意味では前作と似ているが、前作の場合、あり合わせの兵器とパイロットの境遇を描いて敗戦側から見た戦争を表わしているのに対し、今作は一年戦争そのものは関係なくパイロット(使用者)の境遇や戦う動機を中心に描いている。
はっきり言って前作前々作より面白くない、地上戦ばかりでスケールが小さいっていうのもあるけど、ジリ貧状態を描いた前作でさえ、兵器はちゃんとしたものを描いていたのに、今作は一話目からバズーカだし、パイロットがメインの割には三話以外ドラマ性がない。
「死神」も語り手に徹しているならいいけど、三話で主人公(アリーヌ)と会話するし、もし最後の恋人の真実を伝える役が必要だったなら、あの全話に出てた少佐使えよ、せっかく三話は面白い話だったのに「死神」のおかげで変な感じになっちゃった。
正直これならパイロットは二の次の試作兵器をメインにした話の方が良かった。
①対MS誘導弾「リジーナ」
0079年、ジオンの地球侵攻が始まったころ。
ヨーロッパ南部戦線では対MS特技小隊の隊長バーバリー中尉が先の戦で部下を失ったことを悔いていた。そこに部下のルイスが来て大隊長の少佐が呼んでいるという、少佐のもとに行くと新しい任務と部隊を与えられる、バーバリーは自分は味方に死神と呼ばれていること、対MSの戦車を出さないことについて話すが少佐は聞く耳を持たない。
バーバリーはルイスと新しい部下と共にリジーナを携え戦場へ向かう、その途中バーバリーは寝てしまい死神の夢を見る、目を覚ますと石切り場の大穴を見つけその近くに待ち伏せする。
バーバリーは部隊を分け待ち伏せさせる、敵はザク二機、事前情報では三機だったがもう一機は確認できず。すると一つの部隊が高台に上ってしまい訓練不足が露呈する、するとザクの一機が逃げ遅れた味方トラックを追いかけて待ち伏せ場所にくる、トラックが壊され味方が殺されそうになるがバーバリーは撃てずただ眺めてることしかできなかった。だが味方を殺した後ザクは動きを止めたためリジーナを発射しザクを倒す、しかし撃破までに至らずその間に仲間のザクが到着する、何とか倒した方のザクは撃破するがもう一機のザクに仲間が次々とやられる、バーバリーは一人でリジーナを扱いもう一機のザクを仕留める。喜んでいると地中から隠れていたザクが出てくる、バーバリーは無謀にも拳銃でザクに立ち向かうがやられてしまう。
②「61式戦車」
ジオンの地球侵略におされ連邦軍のヨーロッパ戦線は縮小していった。
スラー軍曹は61式戦車の操縦手としてヤンデル中尉とコンビを組む、ヤンデルは優秀な車長だったが相当な変わり者だった、演習を経てヤンデルが死神と呼ばれている理由と白いザクにやられ足が義足なことを知る。
しばらくして、ついに戦車大隊に進軍の命令が下る。ヤンデル達もその部隊に加わったが戦車が故障しヤンデルの小隊は留守番をすることに。一方作戦を行った他の戦車大隊はザクの待ち伏せに遭い全滅する、そこにはヤンデルの足を潰したスネル大尉が乗る白いザクもいた。
スラーは我慢の限界を迎え、1話に出た大隊長の少佐にヤンデルを戦車から降ろすように頼む、だが人員不足を理由に却下された上、その告発をヤンデルに聞かれてしまう、しかしヤンデルはそれを咎めず少佐にある作戦を頼む。
ヤンデルは嘘の情報をジオン側に流しザクをおびき寄せる作戦を立てる、待ち伏せ場所についたヤンデル小隊は休息をしていた、その時スラーはヤンデルにあなたの後ろに死神が見えると告白する、するとヤンデルは死神の正体と戦車に乗り続ける理由を話す。
待ち伏せ場所に白いザク含め三機のザクが来る、戦闘が開始され、ヤンデル小隊は次々と撃破されるが、こちらも二機のザクを沈める、最後ヤンデル・スラーの戦車と白いザクで一騎打ちになり、ヤンデルが勝つ。
ヤンデルはやっと死神から解放されると喜ぶが、そこにジオンの歩兵が現れヤンデルの戦車を破壊、スラーはたまたま戦車の外に出ていたため助かるがヤンデルは死亡。
③「陸戦強襲型ガンタンク」
連邦はヨーロッパでの覇権を取り戻し、ジオン最大の拠点であるオデッサへの攻撃を開始していた。
アリーヌ技術中尉は二名の部下と共に陸戦強襲型ガンタンクに乗り、1、2話で出た少佐の下に付く、アリーヌ中尉たちは何かしらの罪を背負った囚人兵だった、少佐にいびられながらも作戦開始までコクピットで待つアリーヌだったがそこで死神の夢を見る。
作戦が開始され連邦軍の攻撃が始まる、だがジムが罠にハマりいくつか撃破される、少佐はアリーヌたちに出撃を命じアリーヌたちは行動を開始する。アリーヌたちはガンタンクを変形させ敵を撃破しながら敵の大型戦艦ダブデを探す。だがそこに味方への正確な砲撃がなされる、それを見たアリーヌは自分から情報を盗みジオンへ逃げた元恋人がいることを確信する、実はアリーヌが囚人兵になったのもそれが理由だった。
アリーヌ達は味方からの情報を頼りにダブデを見つけ突撃していく、途中仲間の一人を失うがもう一人の仲間が特攻をかけダブデを行動不能に追い込む、止めを刺そうとしたアリーヌだったがもう一つのダブデを見つけどちらを叩くか悩む、すると少佐からもう一つのダブデは放っておけと命令が下る、だが死神がもう一つのダブデにあの男が乗っていると囁き、アリーヌは迷わずもう一つの方へ向かう。もう一つのダブデに取りつくとダブデから通信が入る、それはあの男の声だった、アリーヌは聞く耳を持たず自爆スイッチを入れ、ダブデごと自爆する。
アリーヌは自爆したダブデから少し離れた場所で目を覚ます、復讐を終えたアリーヌに死神がまた囁く、実は男が裏切ったのは上層部の命令で、ジオンの情報を連邦へ流すためだった、それを聞いたアリーヌは泣くしかできなかった。