yuugetu さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
身近なのに、あり得ない世界の冒険
2015年冬放送のオリジナルアニメ。全12話。動画サイトで視聴。
脚本家に興味があって視聴しました。
【あらすじ】
舞台は都道府県が再編されていくつのも国として独立した日本列島。
ご当地色豊かな地方を巡り、親友に守られてばかりだったごく普通の女の子・森友望未(もりとも のぞみ)が、誰かのために行動し、自信を付けて行く物語。
友達と笑ったり泣いたりしながら旅をして、出会った誰かと支え合ったり助け合ったりする、明るい作品です。
要素を詰め込み過ぎてる感じもあるけど、「日本をベースにしたあり得ない世界」を徹底的に作り上げた点は高く評価したい。最初から最後まで気持ちの良いアニメです。
これ、ジャンルは「思春期女子の冒険もの」だよね。
{netabare}
【物語】
モブ(普通の人)である望未達4人の少女が、時にはモサ(強い想いと特別な力を持った人)を助けたり支えたりするのが良かった。各エピソードは確かに主人公たちが主役なわけではないのですけど、視野を広げて積極的に世界にアプローチしていく過程を追った物語なんですよね。望未が旅に出る切欠は親友だったけど、最終的には自分の足で歩いていくスタートラインに立ったのだと感じられました。
他のレビュアーさんがおっしゃる通りロードムービーですし、主人公達が誰かを助けてハッピーエンドとなることが多いので、2クールあったらさらに楽しめたと思います。他の国(各自治体)がどんななのかもすごく気になる。東日本行こうよ、東日本。
宇宙人の友達が宇宙に帰ってしまうという本筋も、良くも悪くも好みが別れるかなあ。思春期における友達との別れは大人への第一歩だよね。
全編通してキャラクターの気持ちに寄り添っているのが好ましい反面、11話で飛び出した「列島征服計画」とか「内向きに行き尽くした世界」とか、そっちも気になってしまいました。
【作画・映像面】
極彩色で水彩画のような背景が見ていて楽しいですね。古風にもポップにも感じる面白いチョイスです。
ただキャラクターは普通ですし、CGの宇宙船などはかえって浮いて見える所も。
バトルシーンは動きも演出もスタイリッシュで今風でした。
【音楽】
思春期・旅・普通の女の子が背伸びをする。そんなコンセプトに沿った選び方をしていたのかなと思います。個人的にはOPで望未達がバンドをやっているのが少し違和感なんだけど。
音楽にはあまり詳しくないですが、フォークっぽい挿入歌が懐かしい雰囲気をよく出してる。面白いコラボだなあ。
【キャラクター】
主人公達4人は、視聴者にとって親しみやすく可愛らしい。
それに対してゲストキャラクターはアクが強くてファンタジー調。
この対比は作品で描きたいことに合致していて、とても良かったと思います。
ゲストキャラクターの個性と、それに縁の深い単語や地名を名前に使っているのが好き。とてもわかりやすくて覚えやすかったです。
特に、広島・岡山編の古典・昔話から取られたキャラクター名や題材が楽しかった!異星に帰るのは千綾だけどね。
個人的には苦労人・籾山が好き。
【声優】
主人公達4人は若手さん、ゲストキャラクターは大ベテラン揃いで、良い意味で差別化されていました。
ベテランさん達は文句のつけようがなくてとても楽しませていただきました。
主人公達の中だと、逢衣役の種田梨沙さんが印象に残りました。逢衣がいると4人のほんわかした雰囲気が締まるんだよね。{/netabare}
ちょっとした興味から視聴しましたが、なかなか楽しめる作品でした。
(2020.3.22)