ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
それぞれの情念
我々は、数多くの悔恨の念を抱え、どうにもならない思いに鍵を掛ける。
しかし、それが何気ない時に、ふとこみ上げてくる。いわゆる悔恨の情にかられる瞬間だ。
子供の頃から同じ土地に住み、古びれたり、作り替えられたとしても、基本的な居住まいは変わらない景色の中で呼吸していればなおさらか。
これは、6人の男女が“情念”をぶつけ合う物語。
あるいは、超平和バスターズという想いが作り出してくれたフィールド、そこで闘わされるグループカウンセリングと言ってしまうと身も蓋もないか。
不慮とは言え、命を落とした幼なじみ“メンマ”、彼女を忘れられない三人の男子と二人の女子、そのテンプレキャラがかえって痛々しく愛しい。
悔恨の“念”を抱いたまま成長した5人、そして、同じく“念”を抱き“成長”した“メンマ”の存在が、ピーターパンのティンカーベルのごとく生み出す波紋。6人それぞれの心にあふれ出す“情”が、クライマックスに向けて収れんされてゆくさまを、情感たっぷりに表現した脚本と演出。
そして、“メンマ”の困ったような笑顔が、全ての想いを表していたことを改めて知るとき、今一度深く心動かされるのである。
OP、ED、それぞれの曲と共に、何時までも心に残る作品である。