O.Y さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
文句なしの一作[93.8点]
圧巻でした、文句の付け所がありません。
ただ本作を楽しむにはアニメの「響け!ユーフォニアム」の1期と2期、欲を言えば「リズと青い鳥」という作品も見ておく必要があるでしょう。アニメ視聴は必須ですね、1つ1つのシーンの見え方がかなり変わります。
※これ以降ネタバレ含みます
{netabare}
あにこれの5項目別で評価すると…(100点満点)
・物語[91.0]
足早ではあるがうま〜くまとまっていて見やすい、内容はかなり濃厚で100分しっかり楽しめた
・作画[98.0]
最初のシーンは圧巻、アニメ本編から良かったがそれをしっかりキープ、そして最後の演奏シーンは鳥肌
・声優[95.0]
結構キツめの性格の奏ちゃんの演技良かったな…雨宮さんvery good‼︎その他も引き続きいい味出してましたね
・音楽[97.0]
リズと青い鳥の本番シーンが見れて良かった‼︎いつもOP担当のTRUEがED担当だったのも良かった
・キャラ[93.0]
久石奏を筆頭に新1年生の低音パートの個性が強いのが良かったね、久石奏はユーフォの中で1番好き‼︎
総合換算得点[93.8]
【総評】
久美子の2年生編がこの劇場版1作品で終わってしまったのは正直ちょっと残念でしたが、やはりこの2年生編が動いた状態で見れた事自体が幸せだなあと思いました。1クールやってもおかしくない物量だったのにそれを上手い場合に濃縮した作品だったと思います。
あと久美子がだいぶ大人びた感じがします。面倒くさい後輩たちに自分の意見を示しつつしっかりと導いていく姿が見られました。
あとは新入生キャラの久石奏ですね。このキャラがドンピシャすぎました…‼︎なんていうか本音を隠してるキャラっていうか、ずる賢いというか、実際に居たらめちゃくちゃ腹立つキャラだけど、アニメではそれが光って見えた。ちょっと頭から離れなくて困ってます…、でもやっぱりその性格は中学の時の吹部でのオーディションが原因で…それで奏が思ったことは
「努力するってなんなんですか…?」
オーディションは一応演奏技術が高い人を選抜するものだが、やはり人間関係が絡むことが多い。特に後輩が先輩を差し置いて選ばれた時…、結果が出ればみんな納得するのかもしれない、これで良かったのだと…
、ユーフォニアム1期の高坂と香織先輩のソリストのオーディションも結局は高坂が選ばれたのだが、決まった後にイザコザが無かったのは全国に行けたからなのかもしれない、結果が出てなかったら果たしてどうなるのか…、結局努力するとはなんなのか、努力してオーディションを勝ち抜いても周りからは評価されないどころか非難を浴びせられる、そういう考えになってしまいますよね…よくわかります。
そんな奏が北宇治の夏のコンクールのオーディションの1件で中川先輩に対して放った本音にあった言葉が結構グサッときました…
「下手な先輩は存在自体が罪」
自分自身も結構部活動で技術面で劣っていると感じることは何度もありましたね、後輩からそんなこと言われたらちょっと立ち直れないなあ…:(;゙゚'ω゚'):
でもこのセリフ自体酷いことを言っているとは一概に思いません。もしそういうオーディションで自分みたいな人が落ちて、後輩が受かった時、自分が気にしていなかったとしても周りのみんなが気にするかもしれません。そういう意味で部活動での人間関係って一筋縄ではいかないのです。
以上のことより奏は全員が納得できるよう、そして自分の周りに敵を作らないよう部内で立ち回るようになります。それに対して久美子が真剣に向き合っていくのは本当に面白かったです。結末がどうなるかは実際に見て楽しんでいただきたいと思います‼︎
あと思ったのはやっぱり中川先輩は良い先輩だなあ…って、結構中川先輩っていろんな部内問題に関わっていますよね、そんな中でやはり他人を思いやれるというのが本当に良いですね。
{/netabare}
本作もリアルな吹奏楽部を繊細に表現できていたなあと思いました、京都アニメーションならではのキャラの豊かな表情変化も重なって、本当に良い仕上がりでした。ここまできたらユーフォの3期も絶対に見たいですね…何年でも待ちます…。