ミュラー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
むっちゃ面白いじゃないか!
言わずと知れた円谷プロのウルトラマン。この作品はそれから数十年後の世界という設定。
歳を取った科特隊のハヤタ隊員とその息子が主人公の物語。
ウルトラマンの遺伝子を継ぐものとして、特殊な能力を使って異星人と戦う。
第一話から感じるのは、これだけ科特隊やウルトラマン、ゼットン、ゼットン星人が昔のまま出てくるのに、なぜに主人公のウルトラマンはロボコップなの?どうしてロボ的にしないといけないんだ。
なんでコネクタつないでスペシウム光線を打つんだ。あれは気で打つんだぞ。
せっかくアニメなんだから昔のウルトラマン風にすればいいのに・・。
とおもっていたが、これって原作があるらしく、元々作者は過去のウルトラマンと繋げるつもりは無かったらしい。
確かに内容は過去のシリーズのウルトラマンのように、毎回怪獣を倒す話ではない。
あくまでも等身大の人間としての成長物語に焦点が当たっている。
これがまた良くできている。ウルトラシリーズの過去の怪獣、星人にどことなく似ている連中が出てくるが、いずれも人間サイズなのがリアリティがある。
正義のヒーロー物語というよりは、様々な事件を通して成長する物語に見える。犯罪者を異星人に置き換えているだけだ。
そういえば最近の仮面ライダーもそんな感じだね。
特にクライマックスであるエースキラーとの闘いは見ごたえある。エンタメ性も抜群だ。中の人として演じているスーツアクターはまさにプロだなあ。これこそ仮面ライダーの世界だ。
{netabare}当初から悪役として登場するベムラーの正体がまさかのあの人だとは・・。このキーパーソン、ベムラーの存在が、この物語を数段グレードアップさせているのは間違いない。{/netabare}
ついでに3DCGとして見ると、これだけモブを動かすアニメはかつて見たことが無い。
特に佐山レナのライブシーンは圧巻。観客すべてを動かすなんて!
そりゃあモーションを数パターンつくってコピーすればできるのは分かるが、それにしてもあれだけのモデルを動かす手間は相当なものだろう。
全編を通してCGの出来の良さに感服するばかり。手書きの場合は神作画と言われるが、これは神モーションだ。
過去のウルトラマンと違うことだけが欠点と言えるかもしれないが、これだけの作品が埋もれることの方が残念なこと。そういう意味では編集社の意見を聞いて過去のウルトラマンと繋げたのは大成功と言える。
私みたいに見る人が出るからね。
CGのキャラクタが生理的にダメって人以外は、見て損はない。素晴らしい作品でした。