お茶 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
カブトボーグという闇の遺産
タカラトミーという会社の
カブトボーグという四駆のマシンで戦う玩具アニメ。
子供向けアニメなのか大人の悪ふざけアニメなのか分からない通な作品。 (全52話)
10年経った今でも一部のファンの中でカルト的な人気を博する模様。
感想
一言でいえば異常。
一話一話が最終回のような猛烈に濃ゆい内容になっており、1話見ただけでもお腹いっぱいになってしまう。深夜に見て笑いをこらえるのに必死になってしまう可能性大。わけのわからないルールや技名からはじまり、ストーリーやキャラクターもめちゃくちゃ。大の大人が極限まで研ぎ澄ました感性で一つの金字塔を残そうとした悪意の遺産。笑いだけではなく、感動、鬱など1話からラストまで一切手抜きなし。
幽遊白書の飛影が探していた闇の書はこれかもしれない
これだけの悪意を視聴者に受け入れさせる事はとても難しいと思います。
(極端に好き嫌いが分かれる作風ではありますが)
タカラトミーのカブトボーグという子供向けのアニメのはずが
大人にしか分からない通な表現をしているところのギャップありきで、
道徳感に直球で悪手を打ち込むようなスタイル。
よくあるシーンを用いた禁忌的表現
例えば主人公が苦労のすえバトルに参加するところに、クラスで一番かわいい女の子が現れ、好意があるような素振りで応援するも、しれっと悪意ある受け流しをしたりと、よくアニメであるワンシーンをふんだんに盛り込みながらもそのシーンに対してのキャラクターの立ち回りが異常極まりない。
キャラクターの死やカタコト手法などの使用方法も、ガチで大丈夫なのか?という変な汗をかくほど。ここまでやり切るという腹の括り具合だけでも頭が下がる思いになった私は洗脳されているのか…
スタッフが好き放題に制作したみたいですが、
面白いものを作ろうとするとどうしても客観性に欠け、自分の悦に浸るようになってしまうのは、作りての陥ってしまう感情のひとつだと思う。そこを考えると、客観性と独自性の間で揺れる製作者の苦労は相当なもの。世界に一つだけのryじゃないですが、そんなアートな自己世界の狂いをどう表現するか…
本作は予算や会社規模や時代背景から考えて、選択肢が多くあったと推測できます。多数の選択肢の中から選ぶことも難しく思える。
作風自体は大雑把に見えますが、細部はよく練られた他を寄せ付けない作品だと思いました。