ひろぞう さんの感想・評価
3.8
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タツノコアニメの金字塔、ヒーローのありように大転換をもたらした
タツノコアニメの一つの到達点としての金字塔で
作中におけるヒーロー像の大転換をもたらした、ジャパニメーションにおける最大の功労者の一つ。
キャシャーンのそれまでの60Sヒーロー像との最大の違いは
憂い悲しむ等身大のヒーロー像の構築で
それはモブキャラばかりを当たり前のごとくなぎ払って
最後は大団円で毎週終わるキャシャーンの招いた変革で、60Sヒーローとはヒーローの有り様というものが決定的にキャシャーン以前と以後では、大変革をもたらしてしまった。
新造人間になったことによって唯一アンドロ軍団に対する対抗策になれたものの
人ならざるものとして人間社会自身からも疎まれ、阻害されてそれでもなお自分はアンドロ軍団と戦い続けなくてはならない
そのキャシャーンの悲壮な覚悟というものに、子供ながらに心が振るわされたよな
最初の口上にある
「キャシャーンがやらねば誰がやる」という
人ならざる能力なんてほしくもないよ、鉄の悪魔を叩いて砕く力はあっても、その人としての残っている心が、その拳より遙かに痛みを感じるよ
そうしたディテールの細かさがジャパニメーション雄飛の発展の基礎になった。
こうした要素はキャシャーン以後にもずっと引き継がれた要素だった。
そしてアンドロ軍団壊滅のブライキングボス破壊の悲願達成以後も、キャシャーンは人間には戻れない。
ヒーローだって嘆き苦しむ一人の人間なんだよ、人としてのヒーロー像のありように以後の作品に決定的な本質論の大変革をもたらした。
だから私は絶対に「なろう系」を認めない
振るった拳の痛み以上に心が痛まぬヒーローなんて認めない
そしてそうした血の通わぬ欠陥クソボロを
「すかっとした楽しめた」
なんて支持する輩も心を持たざる「鉄の悪魔」のアンドロ軍団にも劣る存在として卑下するし
そうした「商品」に対しての、断罪の手を決して緩めない。