oneandonly さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
若おかみの成長を見守る作品
世界観:5
ストーリー:6
リアリティ:6
キャラクター:6
情感:7
合計:30
<あらすじ>
講談社青い鳥文庫の大人気児童文学がついにアニメ映画化します!
両親を亡くし、祖母の営む温泉旅館で若おかみ修行をすることになった小学6年生の女の子・おっこが不思議な仲間に助けられながら少しずつ成長していく感動の物語。
(公式サイトより抜粋)
2018年は2016年に続き劇場アニメがヒットした年で、自分がとても気に入っている「さよならの朝に約束の花をかざろう」を含め、他の劇場アニメ作品についても、「さよ朝」よりも良いとか泣けるとか、そのような情報が飛び交っていました。中でも推し層が多かったのが本作で、ブルーレイになったら借りようと思っていたというのが視聴経緯です。ちなみに、テレビ版は見ていません。
本作は、{netabare}幼くして両親を事故で失ってしまった主人公(おっこ)が、事故を契機に見えるようになった少年(ウリ坊)や少女(美陽)の幽霊に影響されながら、祖母がおかみを務める旅館を継ぐために「若おかみ」として、お客様のために努力をしていくストーリーで、事故のショックに立ち向かいながら、それを乗り越えていく姿は心を動かされるものがありました。特に、中盤の占い師さんとのドライブで呼吸が苦しくなってしまうシーンは迫力がありましたね(占い師さんとの関係の築き方は良かったです)。
最後は冒頭にあった舞踊で締めくくり、また、幽霊も見えなくなるという形で、魔女の宅急便のような主人公の成長を表現しており、その点に魅力のある作品ではないでしょうか。
一方、「さよ朝」と比較してしまったこともあるかもしれませんが、情感面では涙腺を刺激されるシーンはあったものの、両親を事故で亡くすという前提があるので、そりゃあ泣けるよね、と思ってしまった面は否めません。
また、死線を彷徨ったから幽霊が見えるという設定は不問としても、ウリ坊は祖母との関係が明らかになっただけで祖母がその現在の存在を知ることはなく、美陽も、妹がその現在の存在を知ることはなく、鈴鬼だけはなぜか現実世界に影響を与えることができ(スイーツを食べてしまう等。姿は他の人間には見えないんですよね?)、他の霊が登場することはなく、この設定を活かし切れてはいなかったことなど、リアリティ面でマイナスに感じてしまったことはもったいなかったです。
あとは、評価が分かれるところかもしれませんが、最後の両親の死亡事故に関係したお客とのやり取りは腑に落ちなかったです。過去を乗り越えるおっこは健気ですが、小学6年生ということを考えると聖人すぎることと、お客の立場になってみると安息を求めての旅行で事故のことは考えたくないのが正直な気持ちだと思うので、そこを配慮すれば逆に宿泊してもらうことはないのではないか? と思いました。{/netabare}
結果の評価はちょっと感動できる並作~良作というあたり。もちろん、絶賛意見も多いので、個人的な趣向に合う合わないの差があるだろうと思いますが、興味のある方はご視聴をおすすめします。
(参考評価:3.7)
(視聴2020.2)